

【凡例】★5つが満点。☆は★半分。
相変わらず京都本を読んでいる。
まずは小説。
『この世をば(下)』(永井路子、新潮文庫)★★★★
藤原王朝の頂点を極めた藤原道長を主人公に据えた歴史物語。上巻の面白さはそのまま下巻に引継がれる。道長は感情の起伏が大きい平凡人として描かれ、落ち込むとすぐ「もう辞める!」と駄々をこねる。そんな道長像が愉快。それにひきかえ道長の姉、妻、娘はみなしっかりもの。女性が歴史を動かしているとの著者の主張も説得力がある。清少納言や紫式部との交流があまり描かれていないのが残念。
続いてガイドブック。
『京都の寺社505を歩く(上)(下)』(槇野修、PHP新書)★★★★
新書版ながら上下2分冊・合計約800ページの分量の中に505もの神社仏閣がぎっしりと詰まっている。だから、普通のガイドブックでは取り上げられない、マイナーな寺社も取り上げられている。それが貴重。著者は言う、有名どころでなくとも見るべき寺社は多いと。例えば、平等院近くの興聖寺。観光客はほとんど訪れないこの寺についての著者の説明・・・「寺社の境内へ向かうアプローチの美しさにおいて、この琴坂は数々の寺社の中でも三指に数えてよく(中略)・・・琴坂を抜け出ると、ちぎれ雲の流れる青空が豁然として開け、仏徳山の万緑を背景に興聖寺諸堂の黒々とした甍があらわれる」・・・どうですか、どうしたって行きたくなるってもんでしょ。「平等院に行くにはJR奈良線宇治駅からではなく、京阪宇治駅から宇治橋を渡って行け」などお役立ち情報も満載。京都の神社仏閣のガイドブックの決定版と言い切ってしまおう。・・・と力を入れたところで本のタイトルを見たら、すでに「決定版」と書いてあったf(^−^;)
京都本でないものも。
『読むだけですっきりわかる日本史』(後藤武士、宝島社文庫)★★★☆
帯の文句にあるように「マンガのようにおもしろい」かどうかは別として、サクサク・すいすいと面白く読めた。ただ、語られるのは日本史の幹と太〜い枝のみ。小さな枝はもちろん、かなり太い枝もばっさばっさと切られる。まあ、でも文庫本1冊に日本の歴史を凝縮するというのだから、それ以上を求めるのはないものねだりと言えよう。私にとっては日本史の流れ、特に平安時代から戦国時代までの流れが理解できたことで満足。