プロフィール

じっちゃん

Author:じっちゃん
翻訳家。
もとコンピュータ技術者。二足の草鞋で翻訳を始め、定年後フリーランサーに。
【趣味】
①読書:ミステリを中心に時代・歴史小説、歴史や科学などのノンフィクション
②四国遍路(2015年11月結願)
③街道歩き(現在敢行中)
④SNS(ブログ、Facebook、Line)
⑤観劇
管理者ページ

カテゴリ

openclose

お気に入りブログ
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

『網走番外地』を観た



 つい先ごろ亡くなった健さんの代表作のひとつ『網走番外地』をNHK BSでやっていたので録画して観た。

 お手軽な作りのB級娯楽作かと思っていたが、案外丁寧な作りの重厚な作品だったので驚きもし感心もした。白黒の映像も美しく、厳寒の地の寒々とした様子をよく捉えていた。網走刑務所の中の囚人たちの暮らしぶりもリアルに描かれていて嘘っぽさがない。

 囚人たちが脱走計画を立てはじめ、仲間入りを勧誘された健さんの揺れる気持ちを描くシーンも秀逸で「健さん、承知しちゃいけない」と思わず感情移入させられた。

 その脱走計画をいざ実行するという段になってからの展開も意表を突く。その核となるのが、撮影当時すでに老齢の域に達していた(といっても今の私とほとんど変わらない!)嵐寛寿郎である。それまで囚人たちからは老いぼれと軽んじられていたアラカンが意外な行動を取って、物語は思わぬ方向に転がっていく。

 健さんを担当する保護司役を演じている丹波哲郎もさすがの存在感で、健さんと心を通わせるシーン、特に終盤近いところでのやりとりにはしびれた。

 健さんと南原宏治が演ずる囚人が雪原の中をトロッコで逃げ、それを官憲側もトロッコに乗って追いかけるシーンも、インディ・ジョーンズの1シーンを観るようで迫力があり、手に汗を握らせられた(※1)。

※1 とはいえ、スピルバーグの方が一枚上手なのは認めなければならない。

 最後の締めくくり方には「甘い」という異論も出そうだが、私的にはとてもよかった。全編に流れる、健さんの歌う主題曲も哀愁があってよい(※2)。

※2 そう言えばテレビで聞くことがないなあと思ったら、この歌は「刑務所を美化している」という理由で放送禁止歌になっていたそうだ。現在ではそれも解かれたそうだが、依然放送はされていないらしい。

 もちろん難もないではない(※3)が、いまだに古びていない、一見の価値がある映画だと言える。

※3 先輩囚人と健さんたち新米囚人との確執の描き方が甘いこと、健さんの妹役など演技が素人っぽい役者が散見して鼻白まされること、健さんと南原宏治の関係がやや釈然としないことなど。

【じっちゃんの誤読的評価:★★★☆】
スポンサーサイト

宮崎あおいに萌えた~『ツレがうつになりまして。』


《NHK BSで放送されたものを録画して鑑賞》
 うつ病になった夫(ツレ)との闘病生活を描く細川貂々のコミックエッセイ2編(僕は第1編だけ読んでいる)をもとにした映画。その後半沢直樹で一世を風靡することになる堺雅人がツレを、宮崎あおいが妻を演じている。

 観る前は、実際のうつ病とのズレ(大げさだったり、誤解があったり)があって、違和感を覚えないかとの危惧があったが、実際に観てみると、1点(※1)を除いて大きな問題点はなく、闘病記らしい多少の美化は感じられるものの、辛かったり、明るい兆しが見えたりという闘病生活が思ったより淡々と抑制的に描かれていて(※2)好ましく楽しく観られた。

※1 うつは、まじめで几帳面な人がなりがちなものだが、それにしても、堺雅人演ずる夫の几帳面さがやや常軌を逸しているように感じられる(退職届を定規を使ってきっちりと書くなど)。実際そうだったのかも知れないが、ここは映画の演出としてもう少し抑えるべきだったように思う。

※2 「うつってこんなものじゃないぞ、もっとつらいもんなんだ。掘り下げが足りない」という声も出そうだが、一般の人に映画として楽しんでもらうには、この程度に抑制することが必要だと思う。


 こういう映画の場合、病気に対する世間一般の誤解を強調して描きがちだが、その点を抑制して描いているのも好感を持てた。夫の兄が夫に対して「これだけはしてはいけない」という(いかにもの)励まし方をしていたのが数少ない例外。でもこれ、夫のお兄さんは気を悪くしなかったのだろうか? あるいは映画のために創作された架空の存在なのかもしれない。

 うつになると自分以外の周囲のことが見えなくなる。だから、周りにとってうつ病の人というのはかなりうっとうしい存在だと思う。その点も映画ではさりげなく描かれていた。

 周りの景色が見えはじめ、周りの人を気づかえるようになったら、うつはよくなったと思ってよい。そのとおりの結末にこの映画はなっている。映画らしい(クサい)演出もあるが、僕は素直に感動した。

 それにしても、宮崎あおいの妻役はよかった。愛らしくて、いじらしくて。その一点だけでも映画を観た価値があった(はぁと)。昨年末、男女は永遠に分かり合えないなんて本を読んだばかりだっだけれど、この世に男と女の両性が存在するってのはやっぱり素晴らしいことだなと思えた(こんな奥さんなんて滅多にいないよ……なんてのは言いっこなし)
【じっちゃんの誤読的評価:★★★☆】

P.S. ふたりが飼っているイグアナがとても愛らしく、自分もイグアナを飼ってみたいと思った。マジで。

母べえ

母べえ
話題の『母べえ』を観てきました。家内と次女・うめこ(本名じゃありませんよ~。ハンドルネームです)と一緒に。今帰ってきたばかりです。

山田洋次監督で吉永小百合が主演ということで大いに期待して観たのですが、残念ながら期待はずれでした。

戦争が背景となっているせいか、山田洋次監督らしい軽妙なユーモアがほとんど見られず、重苦しいのが最大の難点。反戦をテーマにしているのはいいのですが、ちょっとど真ん中直球過ぎる気がします。私は『二十四の瞳』のような間接的な描き方の方が好きだなあ。反戦が前面に出すぎて、家族愛というのが後ろに引っ込んだ感じ。人の死で涙を誘うのも安直だし、最後の締めくくり方もイマイチな感が拭えません。

でも、吉永小百合は相変わらずキレイだった。あの年であんなにキレイなんて、あの人は化けもんですね。

【じっちゃんの誤読的評価:★★☆】

森繁の社長シリーズ番外編~『サラリーマン清水港』

社長洋行記加山雄三の『若大将』シリーズと並ぶ東宝の看板シリーズだった森繁久彌の『社長』シリーズをご存知でしょうか。源氏鶏太の『三等重役』の映画化(1952年。この時は森繁は人事部長)に源流を発し、森繁が社長になった1956年の『へそくり社長』から始まるサラリーマン喜劇シリーズで、1970年まで29本(傍流も含めると40本)が製作されました。森繁久彌が社長役を務め、 加東大介、小林桂樹、三木のり平等が会社の幹部として脇を固めています。

私は子供の頃何本かリアルタイムで見ています。子供が率先して見に行くような映画ではないので、3本立て・4本立てが当たり前だった当時のこと(※)、他にお目当ての映画があってそのついでに見たのだと思います。
  ※ おにぎり持参で朝から晩まで映画館にいて、3本立ての映画を全部観て、
    さらにはお目当ての映画をもう一回観てたりしてたなあ。

そのシリーズのひとつである『サラリーマン清水港』をこの間NHK BSで放映していましたので「これは懐かしい」と録画して観ました。Wikipediaの記事によれば、この作品は社長シリーズの本流ではなく傍流に位置づけられるようです。ちなみに冒頭の写真はこの映画のものではなく、『社長』シリーズのひとつ『社長洋行記』のポスター。『サラリーマン清水港』のものが見つからなかったのでこれで代用しました。

READ MORE

映画『放浪記』


/ 東宝(2005/08/26)
Amazonランキング:11790位
Amazonおすすめ度:


ご存知・林芙美子の名作を成瀬巳喜男監督が高峰秀子主演で映画化した作品。森光子が舞台でロングランを続けていることでも有名ですよね。

私、主演の高峰秀子の大ファンなんです。若い頃名画座で『二十四の瞳』を見て大感激し、ファンレターを送ったこともあります(汗

READ MORE

意外にシリアスで驚いた-『探偵物語』


/ パラマウント・ホーム・エンタテインメント・ジャパン(2005/11/25)
Amazonランキング:78004位
Amazonおすすめ度:


『探偵物語』と言っても松田優作主演のTVドラマではありません。『ローマの休日』『ベンハー』などで知られるアメリカ映画の巨匠ウィリアム・ワイラー監督が1951年に撮った作品です。NHK衛星放送第2でこの春放映したのを録画しておいたものをこの日曜日に観ました。

世界陸上の中継開始まで間もない時間に見始めたので、世界陸上も観たかった私は、最初は「途中まで観て後は後日」のつもりだったのですが、観始めたらどんどん物語に引き込まれてしまい、結局最後まで観てしまいました。

『探偵物語』とうタイトルからは、フィリップ・マーロウのような私立探偵が颯爽とした活躍を見せるドラマを想起してしまいますが、そうではなく刑事たちが主役の人間ドラマです。原題は"Detective Story"であり、本来ならば『刑事物語』と訳すべきところでしょう。もっとも、映画公開当時は刑事=探偵で通用したのかも知れませんが。

物語はニューヨークの21分署を舞台としてその一日を描くシチュエーション・ドラマ。場面が21分署以外へ移ることはほとんどありません。主演はカーク・ダグラスで、正義感あふれる硬派の刑事を演じています。

READ MORE

ペンギンが歌い踊る!-『ハッピーフィート』

ハッピーフィート
ちょっと前になりますが、アカデミー長編アニメ映画賞を取って話題の『ハッピーフィート』を妻、次女と一緒に見てきました。

見終わった感想は「アニメもここまで来ちゃったか」というものです。ていうか、もうこれまでのアニメの定義から外れている感じ。ご承知の通り南極に住む皇帝ペンギンが主人公のアニメで、ペンギン以外にも南極の動物たち、トウゾクカモメ、ゾウアザラシ、セイウチ、シャチなどが登場しますが、もうどれもが毛の一本まで本物そっくり。本物の動物たちが人間同様情感たっぷりに演技して一本の映画を作り上げたって感じ。CGだからと言ってしまえばそれまでですが、豚が主人公の実写映画『ベイブ』の製作者にして続編『ベイブ/都会へ行く』の監督でもあるジョージ・ミラー(※)のこだわりが感じられる仕上がりとなっています。
 ※『マッドマックス』の監督でもあります。

ストーリーはTVで宣伝しているのでご存知かも知れませんが、簡単に紹介しましょう。

この物語における皇帝ペンギンの世界は歌が上手に歌えることが最大の価値基準という設定。ところが歌上手の夫婦の間に生まれたマンブルは大の音痴。そのかわり、心がウキウキしてくると勝手に足が動いてタップダンスを踊ってしまいます。マンブルは天性のダンサーだったのです(これがタイトルの由来)が、歌が唯一のペンギン世界ではまったく認められません。かえって、ヘンなペンギンということで仲間からも大人たちからも爪はじきにされてしまいます。そして、ついには異端のダンスを若者たちに広めようとしていると長老たちに睨まれてしまい、帝国からの追放処分を受けてしまいます。

READ MORE

どろろ

どろろ
話題の映画『どろろ』を娘2人と観てきました。原作はご存知・手塚治虫の同名の妖怪時代劇。百鬼丸とどろろのコンビが妖怪を退治していく物語です。今年の邦画はなぜか妖怪・幽霊もののラッシュでこの後『ゲゲゲの鬼太郎』や『蟲師』の実写版が待っています。

『どろろ』では主人公・百鬼丸を妻夫木聡が、どろろを柴咲コウが演じています。その他中井貴一や原田芳雄といった重鎮や、瑛太(TVドラマ『のだめカンタービレ』の峰龍太郎役)や劇団ひとりなど話題性のある役者が脇を固めています。

この映画の評価について結論を先に言ってしまうと、荒っぽいけど勢いがあって楽しい映画でした。かつての(今でも?)香港映画のような生きのよさを感じました。日本映画もようやく昔の生きのよさをある程度取り戻したように思われ、感慨深いものがあります。

READ MORE

武士の一分

武士の一分

『武士の一分』観てまいりました。嫁さんと長女が一緒です。

主演のキムタクは熱演でしたし、演技力も大したものですが、全体的な印象はイマイチ。何かチンピラっぽくて、人間的な厚みが感じられません。時代劇には向かない気がいたしました。

初めて見る檀れいさんはよかったです。きれいだし、清楚だし、甲斐甲斐しくも凛々しい武士の女房役にぴったり。

ストーリーは小粒ですね。スケールの大きな話を期待していると肩透かしをくらいます。結末は山田洋次監督おとくいの・・・・オットット、ネタバレになるところでした。私は好きな終わり方です。

【じっちゃんの評価:★★★】

美しいアクション映画『Lovers』

Lovers
 ◆映画のデータ◆
  原 題:十面埋伏
  製作年:2004年
  製作国:中国
  監 督:チャン・イーモウ
  出 演:金城武(ジン)、チャン・ツィイー(シャオメイ)
      アンディ・ラウ(リウ)


この映画を観た感想を一言で言うならば「おったまげた」です。

何におったまげたかというと、この映画、一応アクション映画だと思うんですけど、アクションシーンのリアリズムよりも、その映像の美しさ・楽しさを徹底して追求していること。短剣などの武器の動きや人間の動きなど、ありえね~というシーンが多いのですが、見ててきれいだし楽しい。監督の頭の中にアクションシーンのイメージがあって、リアリズムを度外視して、あるいはそれがいい過ぎならば、リアリズムを多少犠牲にしてでも、そのイメージをイメージのままに映像化したって感じです。

ストーリーもかなりベタなストーリで、練りに練られたストーリーとは言いかねます。

READ MORE

カレンダー
04 | 2017/05 | 06
- 1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31 - - -
全記事表示リンク
検索フォーム
コメント・TBについて

コメント・トラックバックをされる場合は注意事項をご覧ください。

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。