西巻 尚樹
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この本に対する評価は私の中で真っ二つに分かれています。最初読み出したときは「こりゃすごい!★5つの画期的な英語本だ」と思ったのですが、読み進めるうちに「ありゃりゃ」と首を傾げる部分がぼちぼちと出始め、最終的にどう評価していいかわからなくなってしまいました。★4つでもいいように思える一方で★2つしかあげられないような。そこんとこをお伝えできるかどうかわかりませんが、ともかくも説明いたしましょう。
著者は英語を苦手にさせる最大の原因は「現在の5文型に基づく英文法だ」といいます。動詞(V)の後に来るものが品詞によってOになったり、Cになったり、Mになったりする・・・これはおかしい、ヘンだと。このあたりの著者の主張(=5文型の異様さ)はすごく納得できます。
著者はさらに論を進めて、英語の文型はSVOPのひとつに集約できるといいます( ここでいうS・V・Oは通常の定義とは違っています。詳細は本に当たってください)。ちょっと強引かなあと思いつつも、ここも納得できます。この論に対してアマゾンのレビューでは「それほど独創的な考えではない。英語の思考方法を説明しているだけだ」という批判があり、それももっともな部分があるのですが、英語の思考方法を「SVOP」という体系にまとめあげ、5文型の対案として提示しているのはそれはそれで大したものだと私は思います。
その他にも、「動詞よりも副詞が英語の理解の決め手」「英語はSVOPになるように(抽象から具体へとなるように)語順を調節する」「単語の働きは品詞ではなく位置で決まる」などなど斬新かつうなづける論が展開されて、私は「目から鱗」の状態を味わうことができました。
ただ、はっきり言ってこの著者は説明が下手です。折角の斬新な理論なのに、説明が下手なためによく飲み込めないところが多いのです。著者はしきりに「これはなかなか受け入れられない難しい内容かと思われますが・・・」などと弁解していますが、理論が難しいのではなく説明が下手なのです。たとえ理論が難しいとしても、それをわかりやすく説明するのがプロというものではないでしょうか。
さらにいけないのは、首をひねらざるを得ない珍説(としか私には思えないもの)が散見されること。例えば、「beに存在の意味はない」「SVやSVOだけでは文になっていない」「英語は動詞と名詞の区別がほとんどない言葉」等など。
ということで評価は以下としておきましょう。
【じっちゃんの誤読的評価:★★★】