道尾 秀介
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私のお気に入り作家で全作を読破している道尾秀介さんの最新作。全作の『ラットマン』が傑作だっただけに、今回も期待が高まります。で、どうだったか?
「あ〜面白かった、でも」・・・ってのが正直な感想かな。読者によって好みが分かれると思います、この作品は。私はというと、ちょっと好みとはズレルなあ。
何を書いてもネタバレになりそうなので、今回は言葉少なに留めておきます。
どういう物語かは本の帯に要領よくまとめられているので、手抜きをしてそれを借りてしまいましょう。
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「こうしていると、まるで家族みたいですね」・・・詐欺を生業としている中年二人組。ある日突然、彼らの生活に一人の少女が舞い込んだ。戸惑う二人。やがて同居人はさらに増え、「他人同士」の奇妙な共同生活が始まった。失くしたものを取り戻すため、そして自らの過去と訣別するため、彼らが企てた大計画とは!?
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なかなか面白そうでしょう? 一種のコン・ゲームであり、紹介からも想像されるように軽妙かつ奇妙なお話が展開されます。「共同生活」をする5人の男女のキャラがすべて立っていて、かつ好感の持てるのが私的には二重丸です。
さて。
読者に勘違いをさせておいて、さっとひっくり返すという「プチどんでん返し」を作中で何度も繰り返すのは、もはや作者のお家芸といってもいいでしょう。特に作者の得意なのは、『片眼の猿』や『ラットマン』でもそうでしたが、読者にいや〜な予感をもたせておいて、それをさっとはぐらかすというもの。この作品でもそのお家芸はふんだんに披露されています。ふんだん過ぎてちょっと鼻についてくるくらい。作者のサービス精神の賜物であり、おかげで一瞬たりとも退屈することがないのですが、あまり繰り返されるとマンネリに陥る恐れがあります。次回作ではこの芸はいったん封印した方がいいかもしれないと、余計なお節介ながら思ってしまいます。
プチどんでん返しを繰り返しながら転がっていく物語は怒涛の結末へとなだれ込んでいくわけですが、ここが意見の最も分かれるところでしょう。拍手喝采でスタンディング・オベーションをする読者もいるでしょうが、私は違和感を覚えました。なぜかを説明するとネタバレになっちゃうので、それはぐっとこらえて、「脱力感が残った」とだけ言っておきましょう。
【じっちゃんの誤読的評価:★★】