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道尾 秀介
Amazonランキング:2329位
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私のお気に入り作家で全作を読破している道尾秀介さんの最新作。全作の『ラットマン』が傑作だっただけに、今回も期待が高まります。で、どうだったか?

「あ〜面白かった、でも」・・・ってのが正直な感想かな。読者によって好みが分かれると思います、この作品は。私はというと、ちょっと好みとはズレルなあ。

何を書いてもネタバレになりそうなので、今回は言葉少なに留めておきます。

どういう物語かは本の帯に要領よくまとめられているので、手抜きをしてそれを借りてしまいましょう。

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「こうしていると、まるで家族みたいですね」・・・詐欺を生業としている中年二人組。ある日突然、彼らの生活に一人の少女が舞い込んだ。戸惑う二人。やがて同居人はさらに増え、「他人同士」の奇妙な共同生活が始まった。失くしたものを取り戻すため、そして自らの過去と訣別するため、彼らが企てた大計画とは!?
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なかなか面白そうでしょう? 一種のコン・ゲームであり、紹介からも想像されるように軽妙かつ奇妙なお話が展開されます。「共同生活」をする5人の男女のキャラがすべて立っていて、かつ好感の持てるのが私的には二重丸です。

さて。

読者に勘違いをさせておいて、さっとひっくり返すという「プチどんでん返し」を作中で何度も繰り返すのは、もはや作者のお家芸といってもいいでしょう。特に作者の得意なのは、『片眼の猿』や『ラットマン』でもそうでしたが、読者にいや〜な予感をもたせておいて、それをさっとはぐらかすというもの。この作品でもそのお家芸はふんだんに披露されています。ふんだん過ぎてちょっと鼻についてくるくらい。作者のサービス精神の賜物であり、おかげで一瞬たりとも退屈することがないのですが、あまり繰り返されるとマンネリに陥る恐れがあります。次回作ではこの芸はいったん封印した方がいいかもしれないと、余計なお節介ながら思ってしまいます。

プチどんでん返しを繰り返しながら転がっていく物語は怒涛の結末へとなだれ込んでいくわけですが、ここが意見の最も分かれるところでしょう。拍手喝采でスタンディング・オベーションをする読者もいるでしょうが、私は違和感を覚えました。なぜかを説明するとネタバレになっちゃうので、それはぐっとこらえて、「脱力感が残った」とだけ言っておきましょう。

【じっちゃんの誤読的評価:★★】

道尾 秀介
Amazonランキング:2374位
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いきなり言ってしまいますが、この作品、私は作者のこれまでのところの最高傑作だと思います。

作者のストーリーテリングのうまさにはいつも舌を巻きます。この作品も例外ではありません。それだけで一個のミニミステリを構成するような、遊び心満載の導入部分。それでまずがっちりとハートをわしづかみにされ、あとは現在と過去を行きつ戻りつするミステリアスでサスペンスフルな展開にページを繰るのが止まらなくなります。事件が起きるまでの前半部、ゆっくりじわじわと腹の下の方から不安と恐怖を掻き立てていく作者の手腕も見事です。

やがて事件が起き、そこから物語のスピードが増し、心地よいリズムで結末へとなだれ込んでいきます。そして、すべての真相が明らかになった時、私は愕然・驚嘆・呆然となりました。こういう騙し方があったのかと。だからラットマンなんだと。

スゴイのは、そのラットマンが二層にも三層にも仕掛けられていること。事件の真相、物語の構図、過去と現在、登場人物と読者・・・。

他の作品にはまま見られた無理や破綻もこの作品には全くない上に物語の面白さ、ミステリとしての仕掛けも申し分なく、冒頭にも書いたように、これまでのところの作者の最高傑作といっていい仕上がりになっています。

唯一の不満は冒頭のミニミステリのその後の扱いくらいでしょうか。

【じっちゃんの誤読的評価:★★★★☆】

道尾 秀介 / 文藝春秋(2007/08)
Amazonランキング:42145位
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処女作から全作品(単行本)をリアルタイムで読破している唯一の作家・道尾秀介さんの最新作です。

道尾さんは一作一作新しいアイデアを盛り込んできますが、この作品もそう。まずは犬の習性を利用したメイン・トリック(あっ、これネタバレではありませんよ! 最初から作品の中でそれが示唆されていますから)。こういうの好きです。それと冒頭のシーン。読んでいて何か違和感があったんですが、その理由が分かった時はあっと声なき声をあげましたね。こう来ましたか・・・・って感じで。完全に意表をつかれました。

物語は、相模野大学の三年生、男女2人ずつを核とする青春ミステリー。ご想像通り恋あり、恋のさやあてあり、浮気騒動ありで、これだけでも結構読ませます。特に主人公・秋内静(男子です)の忍ぶ恋が成就するかどうかが読む者をはらはらさせます。秋内のうぶでおずおずした不器用なアプローチには共感を覚える読者も多いのではないでしょうか。そして。この男女4人の恋物語にも驚くべき真相が隠されているんですから油断がなりません。

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道尾 秀介 / 新潮社(2007/02/24)
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一週間のごぶさたです。英語の勉強&仕事(※)が控えているので今回は手短にいきます。
 ※英検1級の勉強を本格的に始めたとたん仕事も忙しくなって、ちょっとメゲメゲです。

私めのご贔屓・道尾秀介さんの長編第5作目です。今回も『シャドウ』に続きシリーズものではありません。

ひとことで言って不思議な作品です。殺人は出てきますが、トリックも軽めですし、この作品のメインテーマではありません。この作品の主眼は別にあって、ちょっと説明しづらいのですが、よくこんなことを考えつくものだと感心してしまうたぐいのものです。ちょっと島田荘司さんの作品を彷彿とさせますが、島田さんの作品に比べるとかなり軽妙洒脱です。

主人公は私立探偵。といっても、シャーロック・ホームズや金田一耕介のようないわゆる"名"探偵ではなく、かと言ってフィリップ・マーロウのようなハードボイルド的私立探偵でもありません(どちらかと言うと後者の方が近いですが)。我々の住むリアルな世界にいる、浮気調査などを専門にする私立探偵です。この探偵が極めて特異な能力の持ち主なのです。それも「え、コレっていったい何? マジ? 何でこんな能力があるの?」−−そう思うようなたぐいの。その何とも言えない不思議感がこの作品を支えるメインのアイデアです。


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『邪魅の雫』を読み終わったので、飛びつくようにしてご贔屓作家・道尾秀介さんの最新作『シャドウ』を読みました。『邪魅』が二週間かかったのに対し、こちらは二日間で読み終えました。私の読書スピードから行けばほとんど一気読みです。

処女作の『背の眼』から道尾さんのリーダビリティは目を見張るものがありましたが、その腕にさらに磨きがかかったようです。『背の眼』の時はごたついていた観のある文章も洗練され落ち着いてきて、さらに読みやすくなったように思います。

冒頭から少しずつちょっとした違和感のあるできごと("ちょっとした"ってのがいいんですよね)を積み重ねて、読者の心の中に、いや〜な感じとでも言いますか、不安感とでも言いますか、そうしたものを挿入しながらサスペンスを盛り上げていくところは実にうまく、読者は容易に作者の術中にはまってしまいます。

しかも、上手にさりげなく読者をミスリードしていきます。ですから、途中で明かされる衝撃の事実に、文字通りがつんと頭を殴られたような気持ちになります。読者はある程度それを予想しているのです。「来るか、来るか」と待ち受けているのです。そこへ、思ったとおり来るのです。ただし、読者の予想だにしないタイミング、予想だにしない形で。

Windowsの機能を小道具として上手に使っているのも印象的です。

と、ここまでは絶賛のような形になりましたが、ここでこの作品に対する私の総合的な評価を言ってしまいますと、「面白いけれど納得いかない」です。

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骸の爪 / 道尾 秀介
【じっちゃんの評価:★★★】

第5回ホラーサスペンス大賞特別賞を受賞した処女作『背の眼』を読んで作者(道尾秀介さん)のファンになり、以来道尾さんの作品はすべて読んでいます(といってもまだ3作しか出ていませんが(^-^;)

道尾さんの作品は、確かに若さから来る未熟で荒っぽいところもあるけれど、冒頭の謎や事件で読者を惹きつけ、その後も意外な展開の連続で読者を引っ張っていくストーリーテリングのうまさが魅力です。読者を面白がらせたいという意気込みが感じられます。

例えば第一作の『背の眼』。これは探偵役に霊現象研究家・真備を、ワトソン役にホラー作家・道尾を配した、ホラーと本格ミステリを巧みにブレンドした小説ですが、冒頭で3つの強烈な謎が提示されます。
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