三上 洸
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厚さ4cmはあろうかという大著ですが、最初から最後まで一気に読めます。その面白さ、リーダビリティには脱帽です。
知的障害を持つ、物言えぬ美少女・真里亜。才能がありながら暗い過去から立ち直れない天才画家・本庄敦史。2人が出会い、真里亜が絵画の才能を開花させていく。その過程だけでも読みどころ満載なのに、これに過去の殺人事件や現在の巨悪が絡んできてますます面白くなってきます。
そしてその過去の犯罪や巨悪を暴いていくのが真里亜の、絵画の才能に関係する、"特殊な"才能。これ、すごいですよぉ。そして、敦史や真里亜たちに対する敵役もすごい。すごすぎて眉につばをつけたくなるくらい(;^_^ A もう悪の権化みたいな連中です。彼らが本庄と真里亜にひたひたと迫ってきます。その迫り方も半端じゃありません。ものすごいシーンが続出します。もう呆然とするしかありません。
真里亜、敦史、それを取り巻く人々の人物造型も魅力的です。特に敦史の絵画の恩師がぐっときます。かっこよすぎます。
・・・とまあ、絶賛みたいな形になっていますが、不満もあります。それも大きな不満が。
筆遣いは、端整といってもいいくらいの、抑制されたリアリスティックなものだし、敦史や真里亜たちのパートの描写はリアルなのですが、一方で敵役とその悪の構図があまりにマンガチック。もう、それが明らかになった時点で本を投げ出そうと思ったくらい。でも、そこまで読んできた敦史と真里亜の物語が面白かったし、続きが気になるので何とか踏みとどまりました。
アクションシーンもありえねえ〜って感じ。007やゴルゴ13のようなシーンが続出します。一般人にとうていあのアクションができるとは思えません。しかも法律無視。あれで、なんのお咎めなしってのも信じられません。
とまあ、最後はけちをつける形となりましたが、そこんとこさえ気にならなければ、あるいは我慢できれば、冒頭にも書いたように抜群に面白い小説であることは間違いありません。
【じっちゃんの誤読的評価:★★★】