9/5に予告編を出した『厭魅の如き憑くもの』のレビュー本編です。
舞台は、古い因習の残る山間の閉鎖的な村。....とこう書いただけでミステリファンの方は、ははーん、横溝正史的おどろおどろしい世界と物語展開を想像されるのではないでしょうか? でも、この作品はそうした読者の予断をいい意味で裏切ってくれます。
その村では神隠しや憑き物が頻繁に発生し、憑き物落し専門の巫女までいます。こう書くと、引いてしまう方もあるかもしれません。私もそうでした。最初のうちは、読みながら「嘘くせー、リアリティなーい」と正直ちょっぴりうんざりしました。でも、作者は民俗学の知識を駆使して(その博識ぶりはすごい)そこにリアリティーを与えていきます。その作者の工夫と筆力に加え、その"嘘くさい"雰囲気にもなじんできたのでしょう、私はいつしか作品世界に引きずり込まれていました。
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