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有栖川有栖
Amazonランキング:163位
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犯罪学者・火村英生が探偵役をつとめる「学生アリス」シリーズの最新作。作者の大ファンである私は飛びつくようにして買った。

長編という触れ込みだが、本を開いてみたら、中編2作が並んでいてちょっと失望。2作の中編に密接な関係があるのは確かだが、両編が全体としてひとつの大きな物語を構成しているわけではなく、長編と称するには無理がある。せいぜい言っても「連作長編」だろう。

しかし、そんな失望は作品を読むにつれ消し飛んだ。恐怖小説の名作『猿の手』が思いがけない形で事件の解決に寄与する第一部。突如の地震の発生が物語りの様相を変えてしまう第二部。どちらも、提示される謎、解決に至る道筋が魅力的で、ぐいぐい読まされる。クイーン張りのロジックに基づく推理には相変わらず冴えが見られ、大いに堪能した。

そして登場人物が魅力的なのもこの作品の美点だ。火村、アリスのコンビはもちろん、容疑者、関係者、警察側の人間、いずれも魅力的。ことに両作品に共通で登場する「妃」の人物造形は面白い。

ページ数にして250ページ程度と分量も少なく、サクサクっと楽しく読めて、読後感もいい佳作。

【じっちゃんの誤読的評価:★★★☆】

有栖川 有栖 / 東京創元社(2007/09)
Amazonランキング:3334位
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有栖川有栖は私のご贔屓作家のひとり。特に江神二郎が探偵役を務める「学生アリス」シリーズ(※)は大好きで全作品を読んでます(って言ってもこれまでに3作しか発表されていませんが)。贔屓の理由はその端正で美しく品の感じられる作風。もうひとつのシリーズである「作家アリス」シリーズ(または火村シリーズ)はこの点「学生アリス」シリーズに一歩譲ります。
  ※ 名探偵役の名前を取って江神シリーズとも呼ばれる。これまでに『月光ゲーム』
    『孤島パズル』『双頭の悪魔』の3作が発表されており、いずれも傑作だが、私と
    しては作者との最初の出会いであり、その上品な語り口と端正な謎解きに驚か
    された第一作『月光ゲーム』が今でもナンバーワン。

その「学生アリス」シリーズの新作『女王国の城』が前作『双頭の悪魔』(1992年)から15年もの時を置いて発表されました。私を含め新作を待ち続けていたたファンの首はろくろっ首のように長くなってしまいました。作者は『このミス』の97年版(96年末出版)の「私の隠し玉」ですでに「学生アリス」シリーズの新作を予告しているのにね。それからでももう11年以上が経過しています。

でもそうして長いこと待ち続けた甲斐がありました。

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途中まで読んで「これは傑作になる!」とほとんど確信しました。

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