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病院坂の首縊りの家 / 横溝 正史
☆☆今回から「じっちゃんの評価」は紹介文の最後に記載します☆☆

骨太の本格推理小説を読みたくなって、久しぶりに、ほんとに久しぶりに横溝作品を読んだ。

初期〜全盛期の作品はかなり読んでいるので、あまり読んでいない晩年の作品から『病院坂の首縊りの家』を選んだ。2巻構成の大作である。

最後に読んだ横溝作品でこれも晩年の作品である『仮面舞踏会』にはあまりいい印象を持たず、大横溝も年には勝てないかとの感慨を持った記憶があるので、今回も期待と不安こもごもといった感じで読み始めた。

読み始めるとすぐに、金田一耕助の言葉づかいや立居振舞いに対する違和感という形で不安の方が的中する。居候先の旅館の女中に「何をこのあま!」と怒鳴りつけたり、「ときに本名はなんてえの」「なにがおっぱじまるというんだ」なんて言ったり、僕の記憶の中にある金田一と比較するとやけにはすっぱで下品なのである。金田一ってこんなだったろうか。

登場する若者の言葉づかいにも閉口した。いちいち例はあげないが、やけに幼稚で甘ったるく、時代(昭和28年が舞台)を考えても、いくら何でもという感じなのだ。

しかし幸いにも不安に少し遅れて期待の方も満たされる。

大病院の屋敷跡で行われる奇妙な結婚式、続いてその病院跡で起きる惨劇(天井から鮮血を滴らせて風鈴のようにぶら下がる生首!)。いかにも横溝ワールドであり、これでぐぐっと惹きつけられる。

フーダニットへの興味はもちろん、奇妙な結婚式の意味は?何で生首を風鈴のようにぶら下げたのか?胴体はなぜ消えなければいけなかったのか?と頭の中は"?"マークでいっぱいになる。後が読みたくなる。

その後も若干のもたつきが気になるものの、作者のストーリーテリングのうまさは相変わらずで、ぐいぐい読ませる。

<<この後ネタバレはしていませんが、プロットには若干触れていますのでご注意ください>>
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