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じっちゃん

Author:じっちゃん
翻訳家。
もとコンピュータ技術者。二足の草鞋で翻訳を始め、定年後フリーランサーに。
【趣味】
①読書:ミステリを中心に時代・歴史小説、歴史や科学などのノンフィクション
②四国遍路(2015年11月結願)
③街道歩き(現在敢行中)
④SNS(ブログ、Facebook、Line)
⑤観劇
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3月下旬(前半)は道長くんに酔った

【凡例】★5つが満点。☆は★半分。

相変わらず京都本を読んでいる。

まずは小説。
『この世をば(下)』(永井路子、新潮文庫)★★★★
 藤原王朝の頂点を極めた藤原道長を主人公に据えた歴史物語。上巻の面白さはそのまま下巻に引継がれる。道長は感情の起伏が大きい平凡人として描かれ、落ち込むとすぐ「もう辞める!」と駄々をこねる。そんな道長像が愉快。それにひきかえ道長の姉、妻、娘はみなしっかりもの。女性が歴史を動かしているとの著者の主張も説得力がある。清少納言や紫式部との交流があまり描かれていないのが残念。

続いてガイドブック。
『京都の寺社505を歩く(上)(下)』(槇野修、PHP新書)★★★★
 新書版ながら上下2分冊・合計約800ページの分量の中に505もの神社仏閣がぎっしりと詰まっている。だから、普通のガイドブックでは取り上げられない、マイナーな寺社も取り上げられている。それが貴重。著者は言う、有名どころでなくとも見るべき寺社は多いと。例えば、平等院近くの興聖寺。観光客はほとんど訪れないこの寺についての著者の説明・・・「寺社の境内へ向かうアプローチの美しさにおいて、この琴坂は数々の寺社の中でも三指に数えてよく(中略)・・・琴坂を抜け出ると、ちぎれ雲の流れる青空が豁然として開け、仏徳山の万緑を背景に興聖寺諸堂の黒々とした甍があらわれる」・・・どうですか、どうしたって行きたくなるってもんでしょ。「平等院に行くにはJR奈良線宇治駅からではなく、京阪宇治駅から宇治橋を渡って行け」などお役立ち情報も満載。京都の神社仏閣のガイドブックの決定版と言い切ってしまおう。・・・と力を入れたところで本のタイトルを見たら、すでに「決定版」と書いてあったf(^-^;)

京都本でないものも。
『読むだけですっきりわかる日本史』(後藤武士、宝島社文庫)★★★☆
 帯の文句にあるように「マンガのようにおもしろい」かどうかは別として、サクサク・すいすいと面白く読めた。ただ、語られるのは日本史の幹と太~い枝のみ。小さな枝はもちろん、かなり太い枝もばっさばっさと切られる。まあ、でも文庫本1冊に日本の歴史を凝縮するというのだから、それ以上を求めるのはないものねだりと言えよう。私にとっては日本史の流れ、特に平安時代から戦国時代までの流れが理解できたことで満足。
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3月中旬は京都本ばかり読んでいた

というのは、そろそろまた京都に行こうかなんて目論んでるから。
そして、旅する目的地の背景情報を事前に調べるのは私の趣味なのだ。

3月中旬に読んだ本の中からまずは京都本を紹介しよう。

『秘密の京都』(入江敦彦、新潮文庫)★★★☆
 『秘密のナントカ』とか『ナントカの謎』と題する本は概してハズレが多いが、この本は例外だった。著者のこころざしが高く、全体に一本筋が通っているのがよい。しかも、紹介される「秘密の京都」はホンモノの「秘密の京都」だ。だが、観光の参考になるかというと疑問符がつく。「秘密の京都」は、たまさかにしか行かない観光客がそこを目指して行って感動するというようなものではないようだ。京都に住む人か、京都に何十回と行って行くべきところはあらかた行きつくしたような人が、ぶらっと京都散歩に出かけて、そのついでに寄るような場所のように思う。

『京の近代建築』(たかぎみ江/福尾行洋、らくたび文庫)★★★★
 私は神社仏閣だけでなく、近代建築にも大いに興味があるのだが、京都のガイドブックで近代建築を紹介したものはほとんど見かけない。そんな中で本書は貴重だ。文庫サイズながら写真も豊富、説明もコンパクトかつ要点を押さえている。

『おじさんの京都』(京阪神エルマガジン社、京阪神エルマガジン社)★★☆
 タイトルに「秘密」とは銘うっていないが、この本も秘密本のひとつだろう。入江本同様、本作りに思想があるのがよい。ただし、観光スポットの説明が簡潔すぎて何が何やらわからないことが多いのが残念。

『京都発見(1) 地霊鎮魂』(梅原猛、新潮社)★★★
 さすが著者ならでの力作。語られる蘊蓄は半端ではない。ただ、話が断片的なので(もともとそういう本なのだが)、せっかくの興味深い話が、京都の地理、京都の歴史という大きな枠の中にすっきりはまってくれないのがもどかしい。

『この世をば(上)』(永井路子、新潮文庫)★★★★☆
 以前から興味のあった藤原道長を主人公に据えた歴史物語。これが面白い、面白い。権謀術数の権化と思われた道長が若い頃はうぶな世間知らずという設定が新鮮。事実なんだろうか。道長をとりまく女性たちが生き生きと描かれ、さすが女性作家だなあと思う。あの清少納言も登場する。後編では紫式部も登場するだろう。楽しみだなあ。最終的な評価は下巻読了を待って。

続いて京都本ではない本。

『日出処の天子(1)』(山岸凉子、白泉社文庫)★★★★☆
著者ならではの異形の聖徳太子像を描いたコミック。相当以前に一度読みかけたことがあるのだが、聖徳太子のあまりの異形ぶりに辟易して1巻だけで放棄してしまった。今回は、自分が成長したせいか、異形の太子像にそれほど嫌悪感は感じない、どころか、面白い面白い。従来は善玉のはずの聖徳太子が悪魔っぽくて、敵役のはずの毛子が好感度満点の好青年というのも面白い。山岸涼子おそるべし。

『上を見るな』(島田一男、講談社)★★☆
NHK初期のTVドラマ『事件記者』で一世を風靡した著者による本格ミステリ。戦後すぐの時代でなければあり得ないアリバイトリックがみもの。とはいえ、文章も会話もあまりに古臭い。謎そのものもそうだが、謎解きの過程の盛り上げ方にももう少し工夫がほしい。でも、結末のつけ方にはいささか驚いたなあ。

3月上旬はイマイチだった

3月上旬に読んだ本です。今回から評価順ではなく読んだ順で。

「薫大将と匂の宮」(岡田鯱彦、扶桑社文庫)★☆
 源氏物語宇治十帖の主人公二人を主要登場人物として配した世界で
 起こる殺人事件。その謎を解く探偵役は紫式部。そこへ式部の永遠の
 ライバルである清少納言が挑戦状を叩きつける!・・・もうワクワク
 もんですよね? 私もそうでした、読む前は。でも、紫式部が
 情けないくらい頭が悪い。それに対する清少納言の推理も、理屈も
 へったくれもない、憶測に憶測を重ねたでたらめなもの。なのに、
 紫式部がいったんは負けを認めてしまうのだから、もうあきれて
 ものも言えない。でもって、最後に明らかになる真相がヘタレの
 最高峰。ヤレヤレ。

「日和下駄一名東京散策記」(永井荷風、講談社文芸文庫)【途中放棄】
 周囲が変わっていくことに対する荷風の愚痴が延々と続く作品です、
 ハイ。

「東京都市と建築の130年」(初田享、河出書房新社)★★★
 これは勉強になった。だが、面白さという点では・・・。

「獅子の座 足利義満伝」(平岩弓枝、文春文庫)★★★
 足利義満のすごさはわかるが、それがどのようにして形成されたか
 がイマイチ伝わってこない。

あっ、★五つが最高点です。☆は★の半分。

2月下旬に読んだ本

2月21日~28日に読んだ本です。

【傑作!】
『日本人の知らない日本語2』(蛇蔵/海野凪子、メディアファクトリー)
 外国人に日本語を教える教師の日常を書いたコミック第2作。
 外国人の日本と日本語に対する素っ頓狂な対応に今回も笑える。
 しかし。
 彼らは我々日本人から見れば日本語のしろうとなわけだが、
 何ごとでもしろうとは恐ろしい。
 くろうとが気付かない日本語と日本の矛盾や深淵を鋭く突いてくる。
 いや~、深いデス。(こんなこと言われても何のこっちゃか
 わからないでしょうね。少しでも興味を持った人は本書を読め!)

【面白かった本】
『黒白の囮』(高木彬光、光文社文庫)
 本格ミステリの巨匠の晩年の傑作との呼び声高い作品。
 そこそこ面白かったが、ただいまさらアリバイ物というのは・・・。

【イマイチだった本】
『異邦人』(アルベール・カミュ、新潮文庫)
 世界の文学の名作中の名作に挑んでみた。
 ・・・その結果は撃沈。
 不条理小説という割には、それほど不条理ではなかった。
 ちゃんとストーリーはあるし、登場人物も一部を除けば普通だし。
 例の「太陽がまぶしかったから人を殺した」というセリフも、
 それほど劇的な形ではなく、さらっと登場して、いささか肩すかし。

『中央モノローグ線』(小坂俊史、竹書房)
 私にとってなじみ深い中央線の、その沿線に住む女の子たちの
 日常を描いた4コマ漫画ということで相当期待して読んだ。
 しかも、かなり面白かった『せんせいになれません』の作者だし。
 でも、切れ味のよくないワンパターンの話が続いて途中でギブ。
 ざ・ん・ね・ん!

2月中旬に読んだ本

2月11日~20日に読んだ本です。この間は読んだ本が少なかったなあ。オリンピックのせいかしら?

【とても面白かった本】
『火神被殺』(松本清張、文春文庫)<ミステリ>
 「さすが巨匠!」と手を打ちたくなる粒よりの短編集。古代史の謎と本格ミステリを結びつけた表題作もよかったが、冤罪事件を逆手に取った「奇妙な被告」に唸らされた。ブリュッセルへの夫婦旅行で夫が不倫相手のために購った土産が思いがけない結果を引き起こす「葡萄唐草文様の刺繍」も印象に残る。

【面白かった本】
『細い赤い糸』(飛鳥高、双葉文庫)<ミステリ>
 昭和37年探偵作家クラブ賞受賞作。これまで読もう読もうと思って積ン読状態になっていた本。4つの無関係と思われた死が最後の最後になって結びつき、あっと言わされる。その時になって「あれも伏線だったか、これも伏線だったか」と呆然とさせられた。ただ、最初本格ミステリと思い込んで読んでいて、なかなかストーリーがそれらしく展開しないのに苛立って途中で解説を読んだのが大失敗。思いっきりネタばらししていた

【途中で挫折した本】
『東京オブジェ』(大川渉、ちくま文庫)<東京ものエッセイ>:感想略。

『法隆寺の謎を解く』(竹澤秀一、ちくま新書)<歴史書>:感想略。

『陽炎ノ辻―居眠り磐音』(佐伯泰英、双葉文庫)<時代物>
 大ベストセラーになっているゆえ逆にこれまで敬遠していたが、あれだけ売れるにはそれだけの理由があるだろうと初めて手に取った。だが、最初の数ページで投げ出した。あまりに荒っぽくて。始まってすぐ主人公の親友(Aとしておこう)が最愛の妻を手打ちにし、もうひとりの親友がそのAを斬り殺してしまう(!)のだが、そんな大事に至る理由があまりにずさんで説得力がない。主人公を江戸に追いやるためだけのつじつま合わせでそうしたとしか思えない。主人公が江戸に行ってからが本番でそこから面白くなるのかもしれないが、とてもそこまで付き合う気になれなかった。もうこの作者の作品を手に取ることはないだろう。
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