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じっちゃん

Author:じっちゃん
翻訳家。
もとコンピュータ技術者。二足の草鞋で翻訳を始め、定年後フリーランサーに。
【趣味】
①読書:ミステリを中心に時代・歴史小説、歴史や科学などのノンフィクション
②四国遍路(2015年11月結願)
③街道歩き(現在敢行中)
④SNS(ブログ、Facebook、Line)
⑤観劇
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犬を飼う

谷口ジローの『犬を飼う』を読みました。

谷口ジローといえば、私も読んだことのある名作『「坊っちゃん」の時代』が頭に浮かびます。この『犬を飼う』も、それと並んで名作との呼び声が高い作品集です。

実はこの作品を読むのは2度目なのですが、このところ猫まんがばかり読んでいるので、犬を飼っている自分としては、たまには犬を題材にしたまんがをと思ったしだいです。

読み始めてみると大きな枠組みはぼんやりと覚えているのですが、それ以外はほとんど忘れていて、初めて読むかのように楽しめました。もっとも、名作ですもの、繰り返し読むのに耐えられるのは当然かも知れません。

表題作の「犬を飼う」は年老いた犬(テリアと柴の雑種)と飼い主の最後の1年を描いた作品で、作者の実体験に基づいています。

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タムというその犬が老いて衰えていくさまや、死の直前の苦しみと悲しみが余すところなく描かれていて切なくもつらい気持ちになります。

それでいて読み続けられるのは、作者のいつものように静謐で気品のある筆致や、タムや周囲に対するやさしいまなざしの力によるものでしょう。

自分自身苦しみながら、そのことでご主人夫婦に迷惑をかけていることをすまなく感じているタムの姿はとても愛おしく、胸がいっぱいになります。

私は普段まんがを電車の中で読むことはしないのですが、今回はブログのネタを稼ごうという色気もあって通勤電車の中で読みました。それが失敗でした。読んでいるうちに涙があふれてきて困りました。汗を拭くふりをしてハンドタオルで涙を拭いたりしましたが、周囲にはバレバレだったかもしれません。

この作品集にはこの他に4つの短編が収められています。そのうち3作品はタイトルに反してなんと猫を題材にしたまんがです。タムの死にうちのめされた夫婦が、いったんは二度と生き物を飼うのはやめようと決めたものの、身勝手に飼育放棄された猫を見るに見かねて飼い始めるというものです。

その猫・ボロの親子愛や、周囲を癒す様子が詩情豊かに描かれていて、こちらも優れた作品となっています。

犬好きも猫好きもそのどちらでもない人も楽しめる質の高い好作品集といえるでしょう。

【じっちゃんの評価:★★★★】

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COMMENT

こんにちは! 実は何度かこっそりお邪魔しておりましたが、初めてコメントさせていただきました。

すでに、このレビューだけで涙腺がやられてしまいました。 読んだら号泣してしまいそうです。

他にご紹介されてる本も、どれも面白そうで、見つけ次第読んでみます。

お子さんと仲がよろしいんですね! 読んでいてうれしくなってしまいました。

またお邪魔させていただきます!

ひさきゅ~さん、いらっしゃいませ。コメントありがとうございます。

>実は何度かこっそりお邪魔しておりましたが
うすうす感づいておりました(^0^)

>すでに、このレビューだけで涙腺がやられてしまいました。 
>読んだら号泣してしまいそうです。
ぜひお読みになって号泣してください。

>他にご紹介されてる本も、どれも面白そうで、見つけ次第読んでみます。
ありがとうございます。読まれたら、感想をお聞かせいただけるとうれしいです。

>お子さんと仲がよろしいんですね!
自分自身とても幸せものだと思っています。もっとも、それも父親の出来がいいからなんでしょう。

おじゃまします。
感動物は外で読んだら、駄目ですね
私も、何度、懲りずに失敗した事やら・・・

犬と猫との違いがあっても、動物を飼ってる私にとって
いずれ来る別れについては、色々考えさせられます。
正直今はまだ想像も出来ませんが、その時に
この本を読むと、作者の気持ちを一層深く読み取る事が出来るようになるかもしれませんね。

たまの猫さん、いらっしゃいませ。

>感動物は外で読んだら、駄目ですね
あと、お笑いものもね。クスクス笑って周りのひとに気味悪がられます。

>いずれ来る別れについては、色々考えさせられます。
そーなんですよね。そんな先のこと考えなくてもって思うんですが。あるいは、考えちゃいけない、とも。
でも、こういう冷静な言い方をするのは何ですが、ある程度頭の中でシミュレーションをしておくことは、いざって時のショックをやわらげてくれる方向に働くかも知れないなとも思ったり。

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