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じっちゃん

Author:じっちゃん
翻訳家。
もとコンピュータ技術者。二足の草鞋で翻訳を始め、定年後フリーランサーに。
【趣味】
①読書:ミステリを中心に時代・歴史小説、歴史や科学などのノンフィクション
②四国遍路(2015年11月結願)
③街道歩き(現在敢行中)
④SNS(ブログ、Facebook、Line)
⑤観劇
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歴史は夜作られる

歴史は夜作られる
 ◆映画のデータ◆
  原 題:History Is Made at Night
  製作国:アメリカ
  公開年:1937年
  監 督:フランク・ボーゼージ
  出 演:シャルル・ボワイエ、ジーン・アーサー他



この週末に日本映画の『雨月物語』(1953年)とアメリカ映画の『歴史は夜作られる』(1937年)をビデオで観ました。

前者は日本の誇る世界の巨匠・溝口健二の代表作ですが、僕には正直そのよさがわかりませんでした。これまた名作中の名作と言われる黒澤明の『羅生門』を見たときと同じ戸惑いを覚えました。ともにベネチア映画祭の受賞作というのも、ぼくの違和感へとつながるものがあるかもしれません。

見る目がないと言われれば返すことばはありませんが、これを評価する人と僕とでは映画に求めるものが違うのでしょう。美しい映像とか優れた日本的様式美と言われれば、確かにそうかなとは思いますし、外国人がこれを見て衝撃を受けるのもわかるような気がします。しかし、僕が映画に第一に求めるのはそういうものではなく、エンターテインメント性であり、その点『羅生門』も『雨月物語』も僕のこころには響きませんでした。

その点その後で観た『歴史は夜作られる』は芸術性のほとんどない娯楽映画ですが、エンターテインメントとして大いに楽しめました。

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アメリカ人で離婚係争中の海運王の妻(ジーン・アーサー)とフランス人の給仕長(シャルル・ボワイエ)とのロマンスを描いたメロドラマで、あらすじだけを見るとぎょっとするような陳腐な内容ですが、顧客心理を心得たつぼを押さえた演出によって、不自然さを感じさせないどころか、映画全体としてみると見事なエンターテインメントに仕上がっています。

テンポのよい演出でいきなり核心に入り、冒頭から観客の心を掴みます。その後もテンポのよいスピーディな展開で観客を一瞬たりともあきさせない演出は見事で、最初は半分くらい観たらやめようと思っていたのですが、観始めたらとまらなくなり、とうとう最後まで観てしまいました。

この映画の一番の見所は、妻のロマンスに気づいた海運王があの手この手のえげつない方法でふたりの仲を裂こうとするのに対し、ふたりがそれを乗り越えてロマンスをどう成就させるかというところ。

妻は夫がそのように策動していることを知っているのですが、給仕長は知らない。それによってメロドラマ必須アイテムである、ふたりの"すれちがい"が生じて観客をハラハラさせませす。

そうしたハラハラドキドキのストーリー展開の中で、給仕長とその親友の料理長の友情が映画にハートウォーミングな要素を付加するとともに、ふたりの掛け合い漫才のような洒落た会話が笑いを誘います。

このコンビが、ふたり(もちろん、海運王の妻と給仕長のことです)の再会を果たすためにパリからアメリカに渡ってまで決行する作戦は、奇想天外で"ありえない"というたぐいのものですが、その不自然さにあきれるよりも「そこまでやるか」と楽しくなってしまいます。

このふたりのロマンスへの決着のつけ方もめちゃくちゃといえばめちゃくちゃです。「"あれ"と結びつけるのかよ~」と僕は正直唖然としてしまいました。その後で"あれ"は"あれ"そのものではないとはわかるのですが、それにしてもあざといほどの演出です。

ふたりの恋路を邪魔する悪役の(※)海運王も偏執狂ともいえる嫉妬振りと憎々しい演技がすばらしく、悪役の鑑といった感じで映画を盛り上げます。

※ほんとは妻を寝取られた被害者と言ってもいいのですが(;^_^A

【じっちゃんの評価:★★★】

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COMMENT

映画も小説も
いろんな楽しみ方がありますね。
わたしは、どっちもそのなかの登場人物に感情移入してしまえるものが好き。
その上に、ハラハラ、ドキドキ、というミステリータッチ、サスペンス要素が加わることも大事。

でも荒唐無稽・おバカものも納得して楽しむこともできます。これも楽しみながら見て、笑って、体によさそうです。

おむすびさん、いらっしゃい。

>わたしは、どっちもそのなかの登場人物に感情移入してしまえるものが好き。
僕もそうです。この映画でボワイエに感情移入できます。ジーン・アーサーは性格悪そうでイマイチです。

>これも楽しみながら見て、笑って、体によさそうです。
その通りです。ぜひ一度ご覧になってください。

おじゃまします。
メロドラマ的なものは、観る機会が少ないもので、
この手の物の良さが正直よく分らないんです。
こう言う大人の恋愛物をじっくり見れないなんて、
まだまだ、未熟者ですね^^;
私は、スティングや大脱走のような、違う意味のハラハラドキドキが好きみたいです。

それと、この前の止まってる短編集は
『魔法の猫』ってタイトルですよ。
今のところは余りオススメできませんけど、
中に良い話がありましたら、また紹介しますね。

どの作品も見たことがないのでなんともですねぇ(^^;
ですがじっちゃんさんの評価は信頼できると思いますので
「歴史は作られる」のタイトル憶えました^^

>妻を寝取られた被害者
私もきっと悪役になると思います。

シンさま

>「歴史は作られる」のタイトル憶えました^^
なぜこういうタイトルなのかもなぞです。
(内容となんの関係もないように思える)

訪問、コメントありがとうございます。僕も「羅生門」等の昔の名作と言われる映画の良さが「分からない一人です。ジャンル的には「ラブストーリー」、「ドタバタ・コメディー」以外はなんでも見るんですが、邦画も洋画も最近は「コレ!」というのがないですね。

>僕も「羅生門」等の昔の名作と言われる映画の良さが「分からない一人です。
よかった。お仲間がいて。

>ジャンル的には「ラブストーリー」、「ドタバタ・コメディー」以外はなんでも見るんですが、
おっ、趣味が似てますね~。
僕がラブストーリーが好きでないのは、
自分がもてないからでありますが(;^_^A

>画も洋画も最近は「コレ!」というのがないですね。
確かに。CGの発達で何でもありになったのも
なんかなーという感じがあります。

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