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じっちゃん

Author:じっちゃん
翻訳家。
もとコンピュータ技術者。二足の草鞋で翻訳を始め、定年後フリーランサーに。
【趣味】
①読書:ミステリを中心に時代・歴史小説、歴史や科学などのノンフィクション
②四国遍路(2015年11月結願)
③街道歩き(現在敢行中)
④SNS(ブログ、Facebook、Line)
⑤観劇
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流星ワゴン


この本には読む前からかなり入れ込んでました。なんせ『本の雑誌』2002年度ベスト1ですし。大好きなタイムトラベルものですし。

タイムトラベルものってもう傑作目白押しですよね。

北村薫『スキップ』★★★★
 著者の「時と人」三部作の中でダントツに好き。もう切なくて。松坂慶子主演のTVドラマもよかった。

広瀬正『マイナス・ゼロ』★★★★★
 あまり評判になっていないのが不思議かつ悔しい。日本の、いや世界中のタイムトラベルものの最高傑作です。だまされたと思って読んでみてー。

広瀬正『エロス』★★★
 これも同じ著者の傑作。残念ながらアマゾンでは見つかりませんでした。(絶版?)

筒井康隆『時をかける少女』★★★★
 ご存じ、何度も映画・ドラマ化されている名作。胸キュン度では1,2を争います。

宮部みゆき『蒲生邸事件』★★★
 著者の作品だから面白さは保証つきだけれど、タイムトラベル以外に殺人事件、二・二六事件も放り込んでちょっと欲張りすぎの感。その分タイムトラベルものとしての感興はそがれてしまってる感。

ハインライン『夏への扉』★★★★
 言わずと知れたタイムトラベルものの古典的名作。読んだのがずいぶん昔なのでどれくらい面白かったかは正直忘れてしまいましたが....(;^_^A

ケン・グリムウッド『リプレイ』★★★★
 「人生やり直し」ものの大傑作。北村薫の「時と人」三部作、宮部みゆき『蒲生邸事件』、そして今回紹介する『流星ワゴン』は明らかにこの作品に触発されています。

僕が持ってはいるんだけれど読んでいないものの中でも、ジャック・フィニィの『ふりだしに戻る』『夢の10セント銀貨』、浅田次郎の『地下鉄に乗って』があり、これらも傑作の呼び声が高いです。

で、この『流星ワゴン』はこれらの傑作群と比較してどうでしょうか。

結論:何でこれが『本の雑誌』の年間ベスト1なの?

何もかもがあまりにステレオタイプで。主人公の葛藤とか、その背景にある会社および家庭にある問題とか、父子のあり方とか、主人公の父親の父親像とか。

何よりいやなのは、死のうとまで思いつめる人の事情や苦悩までもがステレオタイプ化されてしまっていること。自殺を思うにはこれぐらいのことが起きないと、とでも言わんばかりに、いくつもの不幸(それも「現代の家庭における問題」てなカタログがあったとすれば、まっさきに載りそうな典型的なもの)が主人公に"同時に"おそいかかります。

「違う」と言いたくなります。人が死を思うのに、こんなてんこ盛りの不幸はいらないのではないでしょうか。もっとささいなことで人は死を思うのではないでしょうか。ちょっとした仕事の行き詰まり、ささいな人間関係のごたごた、たった一度の失敗。他人から見ればなんだそんなことくらいでとどやしつけたくなるようなことで。自分にしても、後から思えばあの時はなんであんなに悩んだのだろうかと思うようなことで。だからこそ逆に苦悩は深いのだとも言えます。そうした目から見るとドラマチックなできごとで飾り付けられた本編の主人公の苦悩はかえって浅く薄っぺらに見えてしまいます。

唯一ステレオタイプではないのは主人公の妻だけです。それもかなり奇矯な形で。何しろ○○○○してしまうんですから。ところが、アマゾンの書評でも言われていますが、彼女がそこまでする理由がよくわからないのです。ありえないとは言いませんが、もう少し納得いく説明がないとこちらの頭は"?"でいっぱいになってしまいます。

その妻の行動への処し方も含め、主人公が最後に辿りつく境地にも納得がいきません。ああしてこうして、それでなぜあの境地にたどり着けるのでしょうか? それともそれがわからない僕の感性の方が鈍いのでしょうか?

著者の泣かせようという魂胆が透けて見えるのもいやです。文章のトーンとかも、ほら映画で悲しい音楽を目いっぱいバックで流しているって感じで。

全体的に人の死や苦悩に対する作者の掘り下げが足りず、表面的に終わっているような気がします。残念です。

【じっちゃんの評価:★】

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COMMENT

辛口も

かえって自分で確かめるべく詠みたくなるものだなあ、と思いました。

ひとつ前の「帝都衛星軌道」よりもこっちのほうが詠みたくなっちゃった。
タイムトラベルもの、あまり好まないのですけど。
蒲生邸・・・ぐらいしか読んでません。

でもそうならまず北村薫さんのから読んだほうががっかりしないかも。。
昨日、「九月が永遠に続けば」を読み終えたので、ちょうど新しいのに取り掛かるところです。

おむすびさんへ

>>かえって自分で確かめるべく詠みたくなるものだなあ、と思いました。

>>ひとつ前の「帝都衛星軌道」よりもこっちのほうが詠みたくなっちゃった。

なるほど、そんなもんなんですね。

僕としては早くべた褒めの書評を書きたくてうずうずしてるんですが、このブログを始めてからはまだそういうのに出会ってないんですよね、残念ながら。

>>でもそうならまず北村薫さんのから読んだほうががっかりしないかも。

そうですね。特にSFファンでないということであれば、北村薫さんの三部作、特に「スキップ」がおススメです。切ないでっせ。女性が主人公なんですが、その切ない思いが男の僕にひしひしと伝わってきましたもん。

>>昨日、「九月が永遠に続けば」を読み終えたので

「九月が永遠に続けば」は前から気になっていた本なんですが、まだ読んでないんです。選者がべたぼめの受賞作ってよく肩透かしを食らうもんで。その点『背の眼』は必ずしもべた褒めではなかったのがよかったみたい。(^^)
「九月が永遠に続けば」の感想も聞かせてもらえたらうれしいです。って、ブログをお訪ねすればいいのかな。

アマゾン

昨日、書評(なんてもんじゃなく、感想文か?)書きかけて、やっぱり画像あったほうがいいし、「じっちゃん」←年下の人に・・いいにくいけど・・さんのまねをして、アマゾンにアフリエイトリンクの登録をしようとしたら、「サイトの名前」とかではねられて先へ進めず・・・
あきらめて寝ちゃいました。
これからもう一回チャレンジします。
ブログに書けたらトラバさせてください。
よろしくお願いします。
詠めば詠めばって・・・なにしおわば・・・って詠まなあきませんね。
誤字ですみませんでした。

re: アマゾン

>>これからもう一回チャレンジします。
がむばってください。
わからないことがあれば聞いてください。
アマゾンアソシエイトの先輩としてわかる範囲でお教えします。

>>ブログに書けたらトラバさせてください。
(^-^)/ ヨロシク 

はじめまして、
広瀬さんって良いですよね
うちでも、マイナスゼロはもちろん、
他にエロスと、タイムマシンのつくり方も、
紹介してます。良かったら、そっちのほうも、
見てやってくださいませ。
>あまり評判になっていないのが不思議かつ悔しい
ほんとですね。あんなに良いのに、埋もれてますね
一人でも良さを、分ってくれて、
読んでくれると嬉しいですね。
あ、それから、エロス、スーパー源氏ってとこで売ってましたよ。

最近小説をご無沙汰してるので、じっちゃんさんの、
本の紹介すごく参考になります。
もし、宜しければ、うちのほうにリンク貼らせて貰っても良いでしょうか?

たまの猫さん

>もし、宜しければ、うちのほうにリンク貼らせて貰っても良いでしょうか?
 もちろん、大歓迎です。
 私もそちらのブログをリンクさせていただいていいでしょうか?

おじゃまします。
リンクありがとうございました。
早速貼らせて貰いました。
宜しければ、また、ご確認くださいね。
うちのほうでも、お返事書きましたけど、
こちらも、やっていただけるなんて・・・
うちのような、とこでよければ、
やっちゃってください。^^

>うちのような、とこでよければ、
いえいえ、相当レベル高いと思います。

>やっちゃってください
ありがとうございます。早速張らせていただきます。

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