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じっちゃん

Author:じっちゃん
翻訳家。
もとコンピュータ技術者。二足の草鞋で翻訳を始め、定年後フリーランサーに。
【趣味】
①読書:ミステリを中心に時代・歴史小説、歴史や科学などのノンフィクション
②四国遍路(2015年11月結願)
③街道歩き(現在敢行中)
④SNS(ブログ、Facebook、Line)
⑤観劇
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山の郵便配達


 ◆映画のデータ◆
  原 題:那山 那人 那狗
  製作年:1999年
  製作国:中国
  監 督:霍建起(フォ・ジェンチイ)


NHK BSで放映されたものを録画して見ました。いい映画を見せてもらったなあ、というのが見終わった感想です。テーマがもういいですよね。父と子の物語。

父と子の物語っていうと『エデンの東』(エリア・カザン)が真っ先に思い浮かびますが、『山の郵便配達』の父子関係は『エデンの東』ほど深刻ではありません。微妙な溝です。こちらの方が『エデンの東』の父子関係より僕にとってはよりリアリティがあるというか、身につまされる感じがします。

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息子は、父が家族より仕事の方を大切にしているように思えることや、自分に対する押し付けがましい言動などから父に反感を持っています。父親は息子が自分に対してとるそっけない態度に、その理由がよくわからず戸惑いを覚えます。

こういうのを見ていると、父子の関係って中国も日本と同じなんだなあと妙な感動を覚えてしまいます。

父親は辺鄙な山奥の村里に郵便物を届ける郵便配達夫ですが、老いて引退することになり、息子が跡を継ぐことになります。初めての息子の配達の日、父親は仕事の引継ぎのために息子とともに最後の仕事に出かけます。

もうここで後の展開はある程度想像がついてしまいますよね。

山の郵便配達の仕事は、重い郵便袋を背に、険しい山道を2泊3日をかけて村々を巡る過酷な仕事です。息子は父の仕事の大変さをもって体験します。それは想像以上の厳しさであり、息子はその事実を驚きをもって受け止めます。

父(岩城晃一似の渋い役者です)は寡黙で多くを語りませんが、息子とともに仕事をする中で息子に郵便配達のノウハウを伝えていきます。そんな中で息子は山の郵便配達夫としての父の人生を垣間見ることになり、少しずつ父への思いを変えていきます。

息子が父親を理解するには、父親が仕事をする姿を見るのが一番だと言いますよね。それを、姿を見るどころか実際のその仕事を体験するんですから分かり合えないはずがないですよね。

父と息子が二人で川を渡るシーンは、ふたりが分かり合ったことを象徴するいいシーンで、とても感動しました。

もうひとつ印象的だったのは、息子が淡い恋心を抱く女の子(フジのなっちゃんこと小島奈津子アナに沖縄風味をまぶしたような感じの可愛い子)と別れた後の父子の会話です。

父が言います「XXXXだと思った」と。(ネタバレ防止のため伏字にしました) ほほえましくもジーンと来ます。「好きか?」と尋ねる父への息子の答えも泣けます。この短いシーンに、父子と家族のこれまでが浮かび上がってきます。

ネタバレになるので詳しくは申し上げませんがラストシーンも感動的です。

そんな感動満載の映画なのですが、この映画はそういった感動を強引に盛り上げようとはしません。セリフもカメラワークも音楽もあくまで淡々としています。そこがいかにも東洋的でいいです。

カラーなのにモノクローム的な静かさ・上品さを湛えた映像にも感心しました。

あと、脇役で次男坊ってのが出てきます。いい味出してます。ラストシーンでも重要な役回りを務めています。その正体は見てのお楽しみです。

【じっちゃんの評価:★★★★】

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