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じっちゃん

Author:じっちゃん
翻訳家。
もとコンピュータ技術者。二足の草鞋で翻訳を始め、定年後フリーランサーに。
【趣味】
①読書:ミステリを中心に時代・歴史小説、歴史や科学などのノンフィクション
②四国遍路(2015年11月結願)
③街道歩き(現在敢行中)
④SNS(ブログ、Facebook、Line)
⑤観劇
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2006年最後のレビュー-『黒猫館の殺人』

当ブログは年中無休、大晦日も開店しております。正月も元旦から営業予定ですので、よろしく!(ただし、2日、3日は休業予定)

さて、今年最後の記事であります。最後はやはりブログのメインテーマである「読んだ本のレビュー」で締めるべきでありましょう。2006年最後のレビュー対象は新本格のリーダ・綾辻行人さんの館シリーズのひとつです。

綾辻行人の館シリーズは全部読んでいたと思ったのですが、最近になってこの本は「読んでねんじゃね?」ということに気づき、古本屋で購入しました。

「読み始めたら『やっぱり読んでた!』ってなことになるんじゃないか」なんて思ったりもしましたが、"やっぱり"読んでませんでした。まあいいや、この時期に綾辻行人の館シリーズを読めるなんて幸せです。

さて、ではということでレビューを書こうと思ったら、もはや記憶があいまいに。実はこれ読んだの先月のことなんです。ネタがだぶつき状態の中ついついレビューを書くのが延び延びになってしまって・・・・。

ということで、今回はあっさりと行きましょう。

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作者は「著者のことば」で『時計館』を「ど真ん中の直球ストレート」、この作品を「消える魔球」に喩えているので、「本格じゃないのかな」とも懸念したのですが、大丈夫、ちゃんとした本格でした。

1年前に起きた事件の謎を、その当事者とともに、館シリーズ常連の鹿谷と江南が解きほぐしていきます。

事件の当事者(鮎田冬馬という「黒猫館」の管理人)による1年前の事件を記した手記と江南による現在の記述が交互に描かれます。冬馬の手記には時々違和感を感じる記述があるんですが、その違和感がどこから来ているかもはっきりとわからなかったりして、それがサスペンスを盛り上げます。

起きる事件は、密室殺人あり、衆人監視下の殺人(衆人「監視」っていうのはちょっと苦しいかもですが)あり、中村青司の館らしい仕掛けありで本格ファンはぞくぞくとさせられます。そして。謎解きの過程で更に過去に遡る事件の匂いもしてきて興趣を盛り上げます。

この作品には驚天動地の大トリックが3つ仕掛けられています。そのうちの2つには私も薄々と感づきましたが、それは恐らく作者も承知、というか作者が誘導しているのかもしれません(※)。しかし、最後の1つにはまったく気づかず、最後の謎解きでアッと驚かされました。しかも伏線が至るところに張られていて・・・・うーんと唸らされました。
 ※このあたりのことをアマゾンのカスタマーレビューでは「伏線もわざとらしく張ってあって、何か
   なぁ」とか、「露骨なまでの引っ掛けが、あまりにも幼稚で白けました」なんて批判されていま
   すが、「わざとらし」かったり、「露骨」だったりするのは、作者の作戦だとはっきり思います。
   それがわからない人の方が「幼稚」なんじゃないかなあ。

このトリックはある有名な作品のものに似ているということで非難されているそうです。私はその作品も読んでいますが、まったく気になりませんでした。さらには直前に、酷似したトリックを使った赤川次郎の短編も読んでいて、類似に気づきましたが、「へえ」と面白くは思っても非難する気持ちはまったく起こりませんでした。

「トリックの類似」を取り上げてあげつらうのはよくあることですが、私は「トリックの類似」だけで非難するのには賛成できません。トリックはあくまで料理の素材であって、それを使ってどのように料理として仕上げているかが肝心であり、さらにはその料理をいただくレストランの雰囲気はどうか、店員のサービスはどうか、そういうことも含めて総体的に評価すべきと思います。素材が同じだからといって非難するのは、同じ牛肉を使っているからと言ってビーフシチューとステーキを混同するようなものです。さらに言えば、同じビーフシチューだって、違う料理の仕方がされていれば、別ものですからね。

さてこれで綾辻行人の館シリーズは正真正銘の全作読破となりました。うれしいような寂しいような。次の館シリーズが待ち遠しいです。

【じっちゃんの評価:★★★】

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COMMENT

たくさん読んでも

「あ、これ読んだ」とすぐわかるのですね。わたしは半分くらい行っちゃってからわかることがあります。

綾辻行人さんのものって、私にはなぜかうまくいきません。ぴたっとこないの。いいのに出会ってないのかしら。

今年お知り合い(っていえるよね)になれてよかった。ありがとうです。
来年もいい本、いい味、いっぱいおしえてね。

来年もどうよぞよろしくお願いします

じっちゃんさん、こんばんは。今年ももうすぐ終わりですね。
今年は、いろいろありがとうございました。
来年もどうぞよろしくお願いいたします。

おむすびさん、あけましておめでとうございます。
昨晩は紅白の途中で寝てしまいました。
夜は弱くなってしまったじっちゃんでした。

>わたしは半分くらい行っちゃってからわかることがあります。
私もそういうときもあります。

>綾辻行人さんのものって、私にはなぜかうまくいきません
ガチガチの本格ミステリが多いですからね。
好みは分かれるでしょうね。

>今年お知り合い(っていえるよね)
いえます、いえます、いえますとも!

>ありがとうです
こちらこそ、ありがとうです。
おむすびさんは当ブログの恩人ですから。
初めてコメントをいただいた時は感激でした。
ブログを続けていく勇気をいただきました。
これからもどうぞよろしくお願いいたします。

>来年もいい本、いい味、いっぱいおしえてね。
はいな!

タックさん、あけましておめでとうございます。

ラジコンヘリをご紹介いただいた方ですね。
お久しぶりです!
ブログにも書いたようにその後別のラジコンヘリを買ってしまいました(;^_^A
でも、タックさんご紹介のヘリの方が高級そうですね。
あちらも欲しくなっちゃったなあ、どうしよう。

今年もよろしくお願いいたします。

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