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じっちゃん

Author:じっちゃん
翻訳家。
もとコンピュータ技術者。二足の草鞋で翻訳を始め、定年後フリーランサーに。
【趣味】
①読書:ミステリを中心に時代・歴史小説、歴史や科学などのノンフィクション
②四国遍路(2015年11月結願)
③街道歩き(現在敢行中)
④SNS(ブログ、Facebook、Line)
⑤観劇
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お気に入りがまたひとつ増えました-『お鳥見女房』


楽しみなシリーズがまた増えました。諸田玲子さんの『お鳥見女房』シリーズです。

諸田玲子さんは、何を隠そう、私と同郷、静岡市生まれであります。しかも、私の出身高校の憧れの的だった女子高校のご出身者 今は共学になって昔の栄光は見る影もないとのことでありますが、当時は静岡市の、いえ静岡県の女子高No.1でありました。実は私の初恋の人もその高校でして・・・・。

こほん、そんな話はともかく。

『お鳥見女房』の何がいいって、登場人物もお話も暖かいんですよ~。ほら、私「暗い、汚い、残酷な話」はキライじゃないですか(「そんなの知らない」という方はこの記事参照)。したがって、その逆「明るい、上品な、暖かい話」は大好きなんですよ。『お鳥見女房』はまさしくこの三拍子が揃っています。

主人公の珠世-御鳥見役の女房ですね-がまずいいです。苦労を苦労と思わないで前向きに受け取り、窮地にも冷静沈着、いつも笑顔を絶やさない。すごく前向き。暖かい。う~ん、一言で言えば肝っ玉かあさん。昔テレビでやってた肝っ玉かあさんとは違ってずいぶん美人ですけど。

にしても、御鳥見役ってのはこの作品で初めて知りました。どんなお役目なんでしょう。

--------------------
御鳥見役ってのは・・・・ほら、将軍様の重要な娯楽のひとつに鷹狩ってのがございますでしょ。その鷹狩のために、鷹の餌となる鳥の棲息状況を調べる役職で、将軍様の御鷹場の巡検と、鷹狩のための下準備が主たる任務だそうな。普段の鷹の餌・雀の捕獲も任務に入っております。お役目柄他藩の領地に自由に出入りができるので、その特質を生かして隠密みたいなこともやってるんでございますよ。それもこの小説のキモのひとつになっております。

さて、その珠世が切り盛りする矢島家に相前後して二組の厄介者が転がり込んできます。この二組がとんでもないいわくつきで(どんないわくかは読んでのお楽しみ)。それを珠世は驚きもせず、いや驚きはするのですが、「来るものはど~んと来い」てな感じで鷹揚に受け入れ、包み込んでしまいます。この二組の(特に一組目の浪人者の)図々しさにはこちらがいささかむっとするくらいなのですが、その私の小人ぶりをあざ笑うかのように珠世は何もかもいい方にいい方に解釈して前向きに受け入れます。だから、珠世もハッピー、相手もハッピー、家族もハッピー、皆んなが幸せです。もう、私は降参するしかありません。これからの人生のお手本にします。

そんな珠世の暖かさ、包容力がこの二組にも影響を与えていきます。かくいう私も、浪人者の図々しさが次第に気にならなくなって、しまいにはほほえましく感じられ、ついにはお別れするのがつらく感じられるようになってくるのですから、私も珠世の包容力の中に包み込まれてしまったのかも知れません。

物語自体も起伏があって読ませます。ハラハラドキドキさせる話あり、ほのぼのとさせる話あり、きゅーんとなる話しあり、もう面白さてんこ盛りです。

ハラハラドキドキについては読んでのお楽しみということで詳しくは申し上げませんが、このお話が単なる人情ものだと思われると困るので、ちゃんと迫力のある剣戟シーンもあり、背後に大きな陰謀の存在を感じさせる事件も起きるということだけは申し上げておきます。剣戟シーンは、女性に似合わずお上手です。そうそう、二組の居候の「いわく」がどう展開するかもこのお話の読ませどころです。これだけでも読ませまっせ。

きゅーんとなるお話といえば次女君江の恋。そうそう、忘れていましたが、珠世には夫・伴之助(御鳥見役です)との間に二男二女があり、また御鳥見役を引退した父もいて、それぞれいいキャラ出してます。

君江は末っ子の16歳。ある人を好きになるのですが、うぶではにかみやな彼女、とてもそれを口に出して言うことはできません。忍ぶ恋です。読み手は相手も君江に想いを寄せていることを知っているので、もうじれったくて仕方がありません。でもそこがいいんですよね。

私、恋愛ドラマや恋愛小説は大の苦手でありますが、というのも、その多くが恋愛至上主義で、「恋が人生のすべて」みたいに声高に恋愛のすばらしさを謳いあげ、必要以上にドラマチックに描こうとするからです。すごく押し付けがましく感じられて、うんざりしてしまいます。もっとも、これ、恋だの愛だのに縁薄き男の妬みかも知れませんが。

でもその小生にとっても君江の恋は好ましく、ほほえましく感じられ、年がいもなく胸がきゅんとなりました。推察するに、今の世でも、こういうのが普通の恋のあり方じゃないのかなあ。トレンディードラマに出てくるような恋もありえないとは言いませんが、少なくともああいう恋のあり方は稀だと思うんですよ。それなのに、そういう恋愛のありかたばかりを描くので、それが恋愛の標準みたいになっちゃって、当然その標準に達しないフツーの男女の中に必要以上に焦燥感を生み出してるような気がします。

物語の終盤、明るく前向きな珠世の表情も曇らすような事件が矢島家を襲います。その事件の顛末はこの『お鳥見女房』では語られません。それは「次作にて」みたいです。う~ん、うまい諸田さん! これでは次作がすぐにも読みたくてたまらなくなるではあ~りませんか。・・・・早速『蛍の行方』、Amazonに注文しちゃいましたよ。

諸田さんとの出会いのきっかけを作ってくださったのばらさんに感謝です。

【じっちゃんの評価:★★★★】

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COMMENT

気に入ってくださって、よかった~。感謝のお言葉までいただいちゃって(^^ゞ
『お鳥見女房』は大好きなシリーズなので、同じように感じてもらったこともとても嬉しいです。
家族を描きながら、時代小説としてのツボもしっかり押さえてあるし、
>面白さてんこ盛りです。
なんですよね!
続き、早く読みたくなるでしょう?諸田さんってホントうまい!

珠世さん、素敵ですよね~。こういう人、憧れます。
私もお手本にしなければ(^^;)

うふふ

じっちゃんさんって、言葉(文章)を読んでいーっぱい豊かにイメージ膨らませて映像を見ているかのように感じられる得な人なのね。(私もどっちかといえばそうだけど)そういう人には、単純な映像でのドラマは浅くておもしろくないでしょう?まあ、中には原作よりもおもしろくなっちゃったのもありますけど。

のばらさん、おむすびさん、おはようございます。

v-34 のばらさん、

>気に入ってくださって、よかった~。
僕もよかったです。

>感謝のお言葉までいただいちゃって(^^ゞ
ほんとに感謝ですよ。
いや~、面白い上に気持ちまでよくなりましたから。

>家族を描きながら、時代小説としてのツボもしっかり押さえてあるし、
まさしく!

>>面白さてんこ盛りです。
>なんですよね!
なんですよね!

>続き、早く読みたくなるでしょう?
なりました、なりました。

>珠世さん、素敵ですよね~。こういう人、憧れます。
>私もお手本にしなければ(^^;)
わたくし、マジでお手本にすることにいたします。

v-34 おむすびさん、

>じっちゃんさんって、言葉(文章)を読んでいーっぱい豊かにイメージ膨らませて
>映像を見ているかのように感じられる得な人なのね。
どちらかと言えばそうだと思います。

>(私もどっちかといえばそうだけど)
お仲間ですね。光栄です。

>そういう人には、単純な映像でのドラマは浅くておもしろくないでしょう?
すべてがそうとは言いませんが、映画は別にしてテレビドラマの多くはそう感じますね。
テレビドラマはエッセンスだけを取り出してそれだけを強調しすぎる
キライがあるように思います。

『のだめカンタービレ』みたいに開き直って突き抜けちゃったような
ドラマはいいんですけどね。

おお! 私も大好きなシリーズです!
今、2冊目を読んでる途中なのですが、 珠世さん 素敵ですよねぇ~
こんな女性になりたいと 憧れつつも、道は遠いのでございます。

私も、恋愛がメインの話は あまり好きじゃないのですが、時代物だと 『ほのかに恋愛風味』 という感じで 好きです。

おおっ、ひさきゅ~さんもお好きでしたか。
お鳥見女房の輪が広がっていきます。

2作目はアマゾンに頼んでいるところ。
今日明日にも届くはずなのですが。

恋愛小説に関して同じ意見でうれしゅうございます。

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