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じっちゃん

Author:じっちゃん
翻訳家。
もとコンピュータ技術者。二足の草鞋で翻訳を始め、定年後フリーランサーに。
【趣味】
①読書:ミステリを中心に時代・歴史小説、歴史や科学などのノンフィクション
②四国遍路(2015年11月結願)
③街道歩き(現在敢行中)
④SNS(ブログ、Facebook、Line)
⑤観劇
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こんな犬ほしい-『ウォッチャーズ』

オンライン書店ビーケーワン:ウォッチャーズ 上オンライン書店ビーケーワン:ウォッチャーズ 下
ウォッチャーズ上・下
ディーン・R・クーンツ
文春文庫
ちょっと古い本だからあぶないなと思ったら、案の定アマゾンのリンクにはイメージなし。bk1に行ったらイメージがあったので、初めてbk1のを使ってみました。だからいつもと雰囲気が違うという次第。ただ、残念なことにアマゾンもbk1も在庫切れ。いい本なのに惜しい。というわけで古本市場を覗いてみたら、ありました! しかも各210円とお買得! 「読みたい」と思った方はそちらでどうぞ。

さて、久々のクーンツであります。クーンツを一言でいうと、非常に乱暴かつちょっと失礼な言い方になってしまいますが、あの超売れっ子作家スティーブン・キングを一回り小さくしてSFのスパイスをかけたような作家と言ったところでしょうか。日本での知名度はキングに一歩も二歩も譲りますが、アメリカでは「SF小説からホラー、犯罪、サスペンスなどジャンルミックスした手法で80年代から現在もなおベストセラー作家であり続けて」います(Wikipediaより)。

クーンツはかつて『戦慄のシャドウファイア』『ファントム』などを読みましたがその後読まなくなってしまいました。当時やはり読んでいたキングの作品もその後読まなくなってしまったので、作品の質というよりも、ホラー的な作風が私の好みと若干ずれがあったのでしょう。

それを再び読む気になったのはひさきゅ~さんの強烈な"推し"があったからで。ひさきゅ~さんに言わせると「墓まで持ってく本」だそうです。すごい!

で、先に結論を言ってしまいますと「いや~、ひさきゅ~さん、おもろい本をありがとう! ハラハラドキドキあり、謎解きあり、ロマンスあり、涙あり、笑いありで堪能しました」。

--------------------
この作品はクーンツお得意の「追われるもの」テーマです。主人公のトラヴィスが犬のアインシュタインとともに敵に追われます。敵は強大でしかも複数、しかもフツーじゃない。そこに強烈なサスペンスが生まれます。

そしてアインシュタイン。このゴールデン・レトリバーの存在がこの作品を際立たせています。かしこくて、心優しくて、強くて、茶目っ気たっぷりで。「もう、こんな犬がいたら飼いたい!」という魅力たっぷりな犬で、このアインシュタインと主人公たちの交流だけでも十分話が持ちます。

このアインシュタインには特殊な能力があって、それがこのお話のキモになっています。その特殊な能力というのは・・・・おっとっと、それは読んでのお楽しみ。とっても楽しい能力、自分の犬にも欲しい能力(無理だけど)とだけ言っておきます。

このアインシュタインととともに追う敵と闘うっていうのがいいですよね。アインシュタインは犬特有のご主人思いを発揮して・・・・そこだけでも涙です。

闘うだけではありません。アインシュタインは犬のもう一つの能力である「癒し」効果もふんだんに発揮します。過去にトラウマを持つトラヴィス(ともうひとりの重要な登場人物)のこころを、その類まれな能力で癒していきます。そこも犬好きにはたまりません。本読みながら「うん、うん」とうなずいたりして。

ロマンスもあります。そのロマンス成就の過程がまた物凄くて。「クーンツさん、そこまでやらんでも」と言いたくなるほど、これひとつでサスペンス小説一本が書けるほどのアイデアが盛り込まれています。このようなサービス精神の旺盛さもクーンツの持ち味で、そこがいいところでもあり、一方で「底が浅い」と言われる所以にもなっているかも知れません。

もうひとつのクーンツの特徴は、これも「底が浅い」と言われる理由の一つかもしれませんが、暗いこと、怖いこと、イヤなことだけでなく、ほのぼのすること、明るいこと、ハッピーなこともお話に盛り込もうとすることです。先に述べたアインシュタインのエピソードもそうですが、トラヴィスたちの苦境を助けようとする人々のエピソードもそう。自分も苦境に陥るかもしれない(あるいは実際に陥っている)のにトラヴィスたちを助けようとする友情と心意気に思わず涙し、また拍手したくなります。

イヤなこと、怖いことを徹底して書いて作品に深みを持たせるキングとはそこが違うところで、どちらがいいかは読む側の好みによるでしょうね。私はといえば、両方好きです。

ひさきゅ~さんもおっしゃっているようにラストも希望が持てる終わり方になっています。その中にネタバレ覚悟でバラしたくなるような愉快なエピソードが盛り込まれているのですが、これから読まれる方のために、ぐっと呑み込んでおきます。

この作品の難をひとつ言えば、最後の敵との闘いがちょっと・・・・かな。あれがいいと言われる方も多いと思いますので、ここは好みの問題ですが。

ひとつ注意。この本は先を急がずじっくり味わってください。クーンツの作品はどれもそうですが、この本も"ページ・ターナー"(ページをめくるのがもどかしくなるほど面白い本)ですのでつい先を急ぎたくなりますが、そこを我慢してじっくり読むとじわじわと盛り上がるサスペンス、怖さを堪能できます。

【じっちゃんの評価:★★★】

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COMMENT

ありがとうございます

おすすめしといて、面白くなかったらどうしよう~と思っていたのですが、
気に入っていただけてよかったです^^

さすが、じっちゃんさまのレビューは 『濃いい』 です!
読みながら、 「そうそう~」 とうなずきまくりました。

私は、クーンツの中だと、この本と 『ストレンジャーズ』 が好きなのですが、 アインシュタインの愛らしさで こっちの方が思い入れがあります。

”ページ・ターナー” って言葉、初めて知りました。
ホントにそうですね!  今後も、ページ・ターナーしたくなる本にたくさん出会いたいです。

用があってNYに行ってきました・・・

コメントへのお返事やご訪問が遅れてしまっていてスミマセンでした!

この本興味が湧きました。
犬が出てくる!
怖いだけじゃなくて心温まる筋がある!

この頃じっくり本を読んでないので年が明けたら是非図書館に行って借りて来よう、と思いました。

クーンツは私も以前は読んでいましたが、今は読んでいません。
でも、『ウォッチャーズ』は好きでした。犬好きにはたまらないですよね。
そういえば、映画化されたものも見たなぁ。あんまり・・・でしたけど(^^;)

ひさきゅ~さん、梓の小鳥さん、のばらさん、おはようございます。

v-34 ひさきゅ~さん

>気に入っていただけてよかったです^^
気に入りました。おススメありがとうございました!

>読みながら、 「そうそう~」 とうなずきまくりました。
そうですか。うれしいなあ。

>私は、クーンツの中だと、この本と 『ストレンジャーズ』 が好き
『ストレンジャーズ』も今度読む本リストに入れときます。

v-34 梓の小鳥さんさん、
>用があってNYに行ってきました
NYにはテキサス駐在時代に出張で行ったことがあります。
商談の合間に半日くらいであわただしい観光をしました。
今度はじっくり行ってみたいです。

>コメントへのお返事やご訪問が遅れてしまっていてスミマセンでした!
なんのなんの、お互い様です!

>怖いだけじゃなくて心温まる筋がある!
そのとおりです。

>この頃じっくり本を読んでないので年が明けたら是非図書館に行って
>借りて来よう、と思いました。
日本の本もあるんですか?!

v-34 のばらさん
>クーンツは私も以前は読んでいましたが、今は読んでいません。
同じですね~。

>『ウォッチャーズ』は好きでした。犬好きにはたまらないですよね。
たまらないですね。

>そういえば、映画化されたものも見たなぁ。
映画化されたんですか!?

>あんまり・・・でしたけど(^^;)
B級ホラー映画になっちゃったのかな。
監督や出演者はどんな人なのかな?

おっ!なんか懐かしいぞ(*^_^*)
この作品、私にはあまりなじみのない外国作品だったので、読むのにとても苦労したのですが、その分、印象深く残っています。
心温まる物語の中、
アウトサイダーがかわいそうでねぇ。。。

そらさん、こんにちは。

そらさんもこの本お読みでしたか!

>アウトサイダーがかわいそうでねぇ。。。
確かに。現代のフランケンシュタイン物語ですね。
ただ、私的には最後に突如ああいう風に持っていくのは唐突な感じがしました。
それまでにそれを示唆するような描き方があれば納得できたんですが。

クーンツはあまり好みじゃないんですが、これはいいですよねえ。犬派なら必読だ、などと知人にすすめられ、そうなると心は犬族としては読まずにはおれませんから。印象に残る作品ですね。

空犬さんも読んでおられましたか!

私もクーンツはご無沙汰していた作家だったのですが、
本文に書いたような経緯で読むことになりました。

今度は犬つながりで、空犬さんご推薦のTimbuktuを読もうかなと思っています。

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