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じっちゃん

Author:じっちゃん
翻訳家。
もとコンピュータ技術者。二足の草鞋で翻訳を始め、定年後フリーランサーに。
【趣味】
①読書:ミステリを中心に時代・歴史小説、歴史や科学などのノンフィクション
②四国遍路(2015年11月結願)
③街道歩き(現在敢行中)
④SNS(ブログ、Facebook、Line)
⑤観劇
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大阪弁ミステリ-『切断』


黒川 博行 / 東京創元社 / 693円
Amazonランキング:70956位
Amazonおすすめ度:


ミステリ作家としては中堅どころの黒川博行さんですが、私は初挑戦です。のばらさんが昨年度ベスト10のひとつに黒川さんの作品を挙げておられるのを見て、長いこと積ン読本状態だったこの作品『切断』を読んでみました。

黒川さんの作品の最大の特徴のひとつは、のばらさんもおっしゃっているように、大阪を舞台として大阪弁の会話が飛び交うこと。関西(とりわけ大阪)在住ないしはご出身の方にはたまらないようですし、関西の人間ではない私も新鮮かつ面白く感じられました。

物語の構成はちょっと複雑で、犯人の視点で犯行の状況を描く「犯罪小説(倒叙ミステリとも言えます)」のパート、大阪府警の視点で捜査の状況を描く「警察小説」のパート、この二つより過去の時点(事件の発端部?)を描く「ハードボイルド」のパートからなります。

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要するに犯罪小説(倒叙ミステリ)+警察小説+ハードボイルドといった趣向になっており、これに本格ミステリのスパイスがちょっと加わります。大変欲張った趣向ですが、そこが面白くもあり、またこの作品の弱点にもなっているように思います。

犯罪小説、警察小説、ハードボイルドそれぞれのパートは緊迫感を持って描かれており一定の水準を保ったできになっていますが、3つのパートに分散した分それぞれについて物語の厚みが不足していることは否めません。

また、それぞれの融合にも十分に成功しているとは言いがたい点があります。まず、ハードボイルドを意識した分描写はリアルです。それはいいのですが、そのリアルな作風の中でトリックが"本格ミステリ"っぽく、ちょっと浮いて見えます。

また、こうした構成にしたこともあって、トリックや犯人は容易に想像がついてしまいます。私的にはその点が物足りなく感じられました。ただ、作者はその辺は承知の上で作品を作っているようにも思います。なぜなら、作者自身この作品を「ハードボイルドに転換していく分岐点的な小説」だと言っておられ、さらには「最近トリックには興味がなくなった」とおっしゃっておられるので。とはいえ、読者としての私の感想は変わりませんが。

なお、文庫本のカバーには「サイコ・ミステリ」と銘打っていますが、これは看板に偽りありです。殺人そのものはやや猟奇的なところがあるものの、犯人像や犯行の描かれ方などが全く「サイコ」ではありませんので。

【じっちゃんの評価:★★】

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COMMENT

ご紹介ありがとうございます。
『切断』はイマイチだったようですが、これに懲りずに黒川さんの“疫病神シリーズ”もよろしくお願いします~。

話は変わりますが、じっちゃんさんの本棚、拝見いたしました。
じっちゃんさんのちょこっとコメントもいいです~。これから見るのが楽しみになりそうです。

のばらさん、おはようございます。

>『切断』はイマイチだったようですが
完全に成功し切れていないのが残念ですが、
新しい試みをする作者の心意気は買います。

>これに懲りずに黒川さんの“疫病神シリーズ”もよろしくお願いします~。
了解!

「本棚」の件ありがとうございます。
あっちのコメントは、まだ長すぎるものがあるので
今後もっとコンパクトにしていきたいと思っています。
あちらもごひいきのほどを。

こんにちは^^

作者さんも作品も初耳ですが関西弁というのに惹かれますね^^
ただ、文章の関西弁としゃべる関西弁は違うので
私のような関西人は妙に違和感を感じたりするのですよね。
評価が低いのであれですが、もし機会があれば試してみたいと思います。

>ただ、文章の関西弁としゃべる関西弁は違うので
>私のような関西人は妙に違和感を感じたりするのですよね。
そういうもんなんでしょうか。
ちょっと話が違いますが、私はテレビとかで静岡の方言が
出てくるといつも違和感を感じます。
関西弁はテレビではメジャーなのでそういうことはないかな。

>評価が低いのであれですが、もし機会があれば試してみたいと思います。
黒川さんを推薦されたのばらさんによれば「疫病神シリーズを読め」と
いうことなので、今日シリーズ第一作「疫病神」を仕入れてきました。
読んだらまたレビューします。

えっ!さっそく「疫病神」を!
わー、嬉しいけど、じっちゃんさんの好みじゃなかったら、どーしよーという不安も(;^_^A
「読め」といっておきながら。ほほほ。

のばらさん、おはようございます。

『疫病神』、古本屋さんに行ったらあったので・・・・。
人の好みは人それぞれですからね。
『疫病神』を私が気に入らない可能性もありますが、
それはそれということで。

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