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じっちゃん

Author:じっちゃん
翻訳家。
もとコンピュータ技術者。二足の草鞋で翻訳を始め、定年後フリーランサーに。
【趣味】
①読書:ミステリを中心に時代・歴史小説、歴史や科学などのノンフィクション
②四国遍路(2015年11月結願)
③街道歩き(現在敢行中)
④SNS(ブログ、Facebook、Line)
⑤観劇
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今度は語学にフォーカス!-『ダーリンの頭ン中』


小栗 左多里, トニー・ラズロ / メディアファクトリー
Amazonランキング:9027位
Amazonおすすめ度:


先日読んだ『ダーリンは外国人』がとてもよかったので、同じシリーズを何冊かまとめ買いした中のひとつ。今回は夫婦間のカルチャーショックというよりも、語学の問題、特に日本語を中心に英語および諸外国語との違い(まあ、これも一種のカルチャーショックですが)にフォーカスしています。

私、英語勉強モノなので、実のところ英語の勉強法についてのトニーさんのご意見を期待したのでありますが、そうではなく、あくまで日本語と諸外国語との違いを論じたものでした(もちろんその中に英語勉強法のヒントも若干ありましたが)。

期待からは少しずれたのでありますが、でもそのお話がおもしろいこと、おもしろいこと。目から鱗の話が満載でした。その「目から鱗」話をいくつか紹介しましょう。

--------------------
前作にもあった「母音の前に来る『the』を『ジ』と読むとは限らない」という"衝撃の"事実が今回も論じられていて、相変わらず衝撃度高いです。その他「『v』を発音する時は下唇を噛む」「『th』を発音する時は上下の歯で唇を噛む」という日本人学習者の"常識"に対しても検証が行われます。その結論もオドロキです。どうオドロキかはこの本をお読みください(※)。
 ※全部バラして小栗さんの著作権をおびやかしてはいけませんからね(´ー`)

英語に対する日本語のよさについての新発見もあります。例えば、漢字だと知らない単語であっても字面を見ただけでその意味が想像つきますが、英語ではそうとは限りません。例えば「archipelago」という英単語の意味わかりますか? 「列島」と言う意味なんですが綴りからは想像つきませんね(※)。これに対して、「列島」という日本語はまさに読んで字の如し。同じような例は他にもいくらでも挙げられます。
 ※もっとも、ギリシャ語源なので、ギリシャ語の素養がある人には想像がつくかもしれません。

 帯状分布⇔zonation  隠花植物⇔cryptogam
 猫愛好⇔ailurophilia  接吻恐怖症⇔philemaphobia

ね? 続けてこの漢字の特性がいかに便利かをトニーさんは例を挙げて主張します。それが何かは、これもこの本を読んでのお楽しみにということで。

その他「日本語は発音が易しい(文字と音が一対一で対応するから)」という常識への挑戦、日本語にあって英語にない便利な表現(e.g.『と』『お帰りなさい』・・・)、日本語の句読点の知られざる特性、日本人はなぜ受動態を好んで使うか・・・などなど、まさに目から鱗の興味深い議論が縦横無尽に繰り広げられます(←これも受動態だ!)。

そしてトニーさんと思わず握手したくなったのは、「日本人がなぜ受動態を好んで使うか」という議論の中で「それはその行為の主体をあいまいにするため」と結論付けた上で(この結論自体は常識的なものですが)、そういうあいまいさを最初はきらっていたトニーさんが今では「その方がいい気がしてきた」と言うくだり。「あいまいな方がストレスがたまらず健康にいい」と。それを受けて小栗さんが「だから日本人は長寿なのか!」と納得してしまうのはさすがに飛躍しすぎだと思いますが(案外当たっている?!)。

いままで「日本人ははっきり主張しない。国際社会で生き抜くためにははっきり主張すべきだ」という議論がまかり通り、私もそうだと思っていたのですが、こういう考え方もあるんですね。こういうの案外多いですよね。「外国=いい、日本=ダメ」との前提のもとに日本と外国を比較して、「これはいけない」とか「こうあるべき」とする議論が。その逆に「外国=ダメ、日本=いい」との前提で物事を見たらかなり見方が違ってくるのではないでしょうか。

さらに。英語を学ぶ小栗さんが、英語に対する自分の誤解が多いのにめげて「他の言語を理解するのって大変だなあ」とげんなりしてみせた時にトニーさんが言った「完全に理解できないから楽しいんでしょ」という言葉にも「ブラボー!」と拍手を送りたくなりました。私も常日頃子どもたちに対して「勉強は難しいからこそ楽しい」と主張しているからです。トニーさん、エラい!

いやあ、楽しくてためになって共感もできる、一粒で三度おいしい作品です。

【じっちゃんの評価:★★★★】

蛇の足
ほめまくったので、ひとつだけ苦言を。南方熊楠の姓を「なんぽう」と呼ぶのはいけません(正しくは「みなかた」)。アマゾンではこの点を取り上げて評価を低くしておられる方がいます。その方もおっしゃっていますが、「編集者しっかりしろ」と言いたいですね。

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COMMENT

おじゃまします。

やっぱ面白そうです。
この本はまだ未見なんで、レビュー助かりました。
じっちゃんさんのレビューを読んで
ますます買いたくなりましたよ。
見つけたら買いですわ~

こんにちはー。
あっじっちゃんさんの似顔絵が変わっている!どなたがお描きになられているのでしょう?娘さんでしょうか?(^^)

小栗さんも面白いですが、トニーさんの考え方もきちきちじゃなく、少し遊びがあってとても好きです。
たまにテレビとかにでられているらしいですが、まだ実物は見たことないです。見たいですねー。
小栗さんのお母さんのお料理レシピの本も出ていて見たのですが、
こちらのお母さん、料理はもちろん美味しそうですしなかなかユーモアのある方だなーと思います。(小栗さんはお母さん似では?と思いました)

あはは!

蛇の足の「編集者しっかりしろ」に激しく同感。
ちゃんとチェックしたってよ。ねえ。

たまの猫さん、ひだまりねこさん、おむすびさん、おはようございます。

v-34 たまの猫さん
このシリーズを読んだのもたまの猫さんのおかげです。
ありがとうございました。
私すっかりハマッたでございます。
まだ2作品残っているので読むのが楽しみです。

v-34 ひだまりねこさん
前の似顔絵はあまりにデブで似てなかったので(;^_^A
今のも似ているかっていうとビミョ~ですが。
少なくとも前のよりは似てます。(家族談)
ちょっと若く、微妙にハンサムですがf(^-^;)
描いたのは恥ずかしながら私でございます。
娘にも描いてもらったんですが、あまりにリアルすぎて・・・ヘ(-_-ヘ
似顔絵を変えた経緯は元旦の記事「元旦も営業! でもすぐ閉店」を
ご覧あれ~。


あっ、この本にトニーさんの写真出てましたよ!
うーん、こっちも微妙に漫画の方がカッコいいですね(苦笑

v-34 おむすびさん
おっ、そこをついてきましたか。
確かにね。作者にはある種の思い込みがあったりもしますし、
間違いもしますからね。
そこは編集者の出番ですよ。
アマゾンの評を見て「穴があったら入りたい」と思っておられるのでは
ないでしょうか(思っていないとしたら、もう編集者失格)。

こう描きながら私も「なんぽう」と呼ぶ場合もあるのでは?とちょっと心配。
源義経を「げんぎけい」と読んだり、伊藤博文の名前を「はくぶん」と呼ぶ例もありますからね。
でも「なんぽう」と呼ぶ例があったとしても、あそこで何の説明もなく「なんぽう」と呼ぶのはやっぱり変ですけれどね。

こんにちは^^

>あいまいな方がストレスがたまらず健康にいい
>長寿
これどこかで読んだか聞いたかしたことありますねぇ。
この記事を読むまですっかり忘れてましたが(;´д`)
再確認させていただき感謝でありますm(__)m

こんにちは。

「ダーリンは外国人」の時もそうだったのですが、
トニーさんを通して日本(あるいは日本語)のことを再認識しました。
日本で生まれ育った私より、ずっとずっとトニーさんの方が日本の良さをわかっていらっしゃる!
(「ことり作戦」とか、面白い言い間違いはありますが・笑)

私は『the』よりも『v』が衝撃的でした。

私は「大岡越前」が言われて始めて気づいて納得!でした。(この本じゃなかったですっけ?)確かにちょっと短いんですよね。

こんにちわ~。

中学で初めて英語の授業を受けた頃、一生懸命に「v」 は下唇を噛み、「th」 は舌を噛み、・・・と稽古したのを思い出しました~~。

本を実際読んでないのでトニーさんがどんな風に「v」 と「th」を発音したらイイかを教授してるのか判りませんが・・・

「v」 の音は上の前歯を下唇に触れるだけで簡単に出来ます。
「th」 の場合は舌を上前歯の歯茎に当てるだけで発音できます。

上手く発音しないとアメリカ人って直ぐ、「What's that?」 と聞き返してくるものですがこの点では私の場合あまり問題は無いようです~~

娘達に笑われるのは、「y」 の発音。
特に 「year」 と 「ear」 が同じに聞こえるらしいのです・・・

御免なさい。 話が逸れてしまって・・・

シンさん、きなこさん、仁香さん、梓の小鳥さん、おはようございます。

v-34 シンさん
「あいまい→長寿」説あるんですね。
小栗さんの発言はまんざら当たっていないわけではないんだ。

v-34 きなこさん
>ずっとずっとトニーさんの方が日本の良さをわかっていらっしゃる!
そうですよね!
内側にいる人間にはその良さが見えなくなることが多いんですよ。
悪いところばっかりが見えて。

v-34 仁香さん
「大岡越前」の件記憶にありません。
別の巻なのかな? それとも私の記憶の脱落?
でも、気になる。どんなお話なんでしょう?

v-34 梓の小鳥さん
英語の達人、梓の小鳥さんがいらっしゃるのを忘れてました(;^_^A
「v」「th」の件、ほとんどトニーさんのおっしゃっていることと同じです。
さすなです。

「y」の発音って意外に難しいんですよね。
私は語学学校へ通っている時「お前の発音は"work"と"walk"の差がわかりにくい」
と散々言われましたが、とうとう直りませんでした。今もそのままです。

横レスですが、「大岡越前」の話は
「ダーリンは外国人2」の話だったと思いますよ。

きなこさん、おはようございます。
そうでしたか、私の記憶違いではなかったんですね。
よかった。
『ダーリンは外国人2』はこれから読むんで大岡越前の話は
楽しみにしておきます。

ブログに訪問していただきありがとうございます。

『ダーリンの頭ン中』は読んだ事があるのですが、かなりおもしろかった記憶があります。

今後も、ブログお互いに頑張りましょう。

光源氏の末裔さん、ご訪問ありがとうございます。
『ダーリンの頭ン中』読まれてるんですか! また、感心。
>今後も、ブログお互いに頑張りましょう。
はいな。

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