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じっちゃん

Author:じっちゃん
翻訳家。
もとコンピュータ技術者。二足の草鞋で翻訳を始め、定年後フリーランサーに。
【趣味】
①読書:ミステリを中心に時代・歴史小説、歴史や科学などのノンフィクション
②四国遍路(2015年11月結願)
③街道歩き(現在敢行中)
④SNS(ブログ、Facebook、Line)
⑤観劇
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不思議な魅力-『片眼の猿』


道尾 秀介 / 新潮社(2007/02/24)
Amazonランキング:1109位
Amazonおすすめ度:


一週間のごぶさたです。英語の勉強&仕事(※)が控えているので今回は手短にいきます。
 ※英検1級の勉強を本格的に始めたとたん仕事も忙しくなって、ちょっとメゲメゲです。

私めのご贔屓・道尾秀介さんの長編第5作目です。今回も『シャドウ』に続きシリーズものではありません。

ひとことで言って不思議な作品です。殺人は出てきますが、トリックも軽めですし、この作品のメインテーマではありません。この作品の主眼は別にあって、ちょっと説明しづらいのですが、よくこんなことを考えつくものだと感心してしまうたぐいのものです。ちょっと島田荘司さんの作品を彷彿とさせますが、島田さんの作品に比べるとかなり軽妙洒脱です。

主人公は私立探偵。といっても、シャーロック・ホームズや金田一耕介のようないわゆる"名"探偵ではなく、かと言ってフィリップ・マーロウのようなハードボイルド的私立探偵でもありません(どちらかと言うと後者の方が近いですが)。我々の住むリアルな世界にいる、浮気調査などを専門にする私立探偵です。この探偵が極めて特異な能力の持ち主なのです。それも「え、コレっていったい何? マジ? 何でこんな能力があるの?」--そう思うようなたぐいの。その何とも言えない不思議感がこの作品を支えるメインのアイデアです。

--------------------
不思議なのは主人公だけではありません。相棒も不思議だし、主人公を取り巻く周囲の人間も一癖も二癖もあるヘンな連中ばかり。はっきり言って漫画の世界です(※)。
 ※私は高橋留美子の『うる星やつら』他の諸作品が頭に浮かびました。

このようにキャラ立ちまくりの登場人物の魅力に加えて作者の筆致も軽妙洒脱でテンポがよく、すいすいと読めます。道尾さん今回は楽しんじゃってるなあという感じ。

登場人物のひとりが随所で披露するトランプ占いもこの作品の魅力。すごくよく当たるのですが、占いの結果として1枚ないしは複数枚のカードを示すだけでその意味は言わないので、それが何を意味するのかが占われた当人や読者にはわからず(※)、それが魅力的な謎となります。とうてい推理できないようなものもありますが、後から思えば「なぜわからなかったんだろう」と思うものもあって私は何度も臍を噛まされました(^_^)
 ※登場人物には意味がわかる場合もありますが、読者には明かされないので、そういう時は余計
   「何?何?何?」と思わされます。道尾さんはイヂワルです。

そして、ミステリの最大の楽しみである最後の謎解き。この作品は、そこにまで至る過程も不思議ですが、謎解きそのものも不思議で、あっと驚かされること請け合いです。私はあまりに意表を突かれてえっとのけぞり、そのはずみで椅子から落っこちてしまいました(ウソです)。あまりの意表の突かれぐあいに「馬鹿にするな」と怒る読者もいそうです。正直、ここんところをどう受け止めるかで、この作品の評価は分かれるでしょうね。私も快感7割、憤慨3割くらいでしたもん。

すぐれたミステリなら必ずそうであるように、謎が明かされた後の伏線探しもこの作品の楽しみの一つです。あからさまに読者の前に投げ出されている伏線もたくさんあって、いつものことながら「なぜ気づかなかったんだろう?」と唖然呆然となります。「やられた」という感じです。ただ、その伏線の中にちょっとアンフェアではと思われるものもあり、そこはちょっと残念です。

全体的に小粒な小品であり、多少の瑕疵もありますが、意表を突かれる謎と作者の軽妙で飽きさせない語り口が楽しめる佳品と言えます。

【じっちゃんの評価:★★★】

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COMMENT

こんにちは^^

ふむ、じっちゃんさんが臍をかむということはなかなかってことですかね^^
これはなんとも惹かれますね。
でも、なんとなく私は「バカにするな」とキレる気が(;´д`)
アンフェアなのはやりきれんですし。

おじゃまします。

お仕事もお忙しそうで
英検の勉強の方も大変そうですね。
同じ中年としましては、じっちゃんさんは期待の中年の星!
無理なく頑張ってくださいませ。^^¥

今回のご紹介の本、軽いタッチのようで読みやすそうですね。
片眼の猿って言う題にもちょっとそそられます。

おひさしぶりです。

『片眼の猿』今日、読み始めたところなんですよー(^.^)
以前のものとずいぶん雰囲気が違っているので、楽しみです。

お仕事しながらの勉強はたいへんですね。
お身体に気をつけて~!

英検の

寄り道にはちょうどいい軽い本でしょ?
ちょっとねー。
わたしはねー。なんですけど。
ま、ケータイ小説だし。
彼は(いろんなインタビューとかでは言ってませんが)青春期かなり苦労をしています。親のせいで。
そういうことを踏まえると、あの軽い中にも重いものを感じ取ってしまうわたしでもあるのです。
小説書きって損ですよね。深読みされちゃうし。
コーヒー酒、おいしかったですよ!
どこまでもすいすい飲めてやばいです。
あしたまた仕込む予定です。

シンさん、たまの猫さん、おはようございます。

v-34 しんさん
臍を噛みすぎて臍が痛くなりましたよ(;^_^A

この作品、アンフェアなのが苦手な人は敬遠した方がいいかもです。
(必ずしもアンフェアなプロットということではないので誤解なく)

v-34 たまの猫さん
ねぎらいの言葉ありがとうございます。

お仕事もお忙しそうで
英検の勉強の方も大変そうですね。
同じ中年としましては、じっちゃんさんは期待の中年の星!
無理なく頑張ってくださいませ。^^¥

今回のご紹介の本、軽いタッチのようで読みやすそうですね。
片眼の猿って言う題にもちょっとそそられます。


2007-03-31(Sat) 15:23 | URL | #xJCIXwfA [ 編集 ] ▲




□ おひさしぶりです。 from のばら


『片眼の猿』今日、読み始めたところなんですよー(^.^)
以前のものとずいぶん雰囲気が違っているので、楽しみです。

お仕事しながらの勉強はたいへんですね。
お身体に気をつけて~!


2007-03-31(Sat) 20:57 | URL | #- [ 編集 ] ▲




□ 英検の from おむすび


寄り道にはちょうどいい軽い本でしょ?
ちょっとねー。
わたしはねー。なんですけど。
ま、ケータイ小説だし。
彼は(いろんなインタビューとかでは言ってませんが)青春期かなり苦労をしています。親のせいで。
そういうことを踏まえると、あの軽い中にも重いものを感じ取ってしまうわたしでもあるのです。
小説書きって損ですよね。深読みされちゃうし。
コーヒー酒、おいしかったですよ!
どこまでもすいすい飲めてやばいです。
あしたまた仕込む予定です。

英検・・・

試験勉強とお仕事と読書にブログ・・・そして果実酒作り~~!
じっちゃんさんはルネッサンス・マンでいらっしゃる!

この本の作者はおむすびさんの甥っ子さんだとピットママさんのブログへのじっちゃんさんからのコメントで知り二度ビックリ。

おむすびさんのコメントから作者のプロファイルも覗く事が出来て、ますます興味が湧いてきました・・・

梓の小鳥さん、おはようございます
『ルネッサンス・マン』て言葉初耳です。
ネットで調べたら・・・・わっ、面映いです。

道尾秀介さん、是非ごひいきにお願いいたします。
って、そちらで購読するのは難しいですかね。

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