プロフィール

じっちゃん

Author:じっちゃん
翻訳家。
もとコンピュータ技術者。二足の草鞋で翻訳を始め、定年後フリーランサーに。
【趣味】
①読書:ミステリを中心に時代・歴史小説、歴史や科学などのノンフィクション
②四国遍路(2015年11月結願)
③街道歩き(現在敢行中)
④SNS(ブログ、Facebook、Line)
⑤観劇
管理者ページ

カテゴリ

openclose

お気に入りブログ
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

犬も褒めて伸ばせ!-『犬も平気でうそをつく?』


スタンレー・コレン, 木村 博江 / 文藝春秋(2007/01/10)
Amazonランキング:6938位
Amazonおすすめ度:


『デキのいい犬、わるい犬』など犬に関する著書が多いスタンレー・コーレンが、犬の持つ能力について論じた本。対象分野は犬の五感(嗅覚、視覚、聴覚、味覚、触覚)、知恵・知能、しつけ方法、老化、自意識など多岐に亘っています。

それぞれの分野で「へえ」「ホント?」という話が満載で興味深く読めます。

例えば、犬の嗅覚の凄さを物語る話。犬は匂いで他の動物や人間を見分けることができるだけでなく、動物や人間の感情の変化まで嗅ぎ分けることができるそうです。感情の変化はホルモンの分泌に影響を与え、よって感情によって体臭も違ってきます。その微妙な匂いを犬は嗅ぎ分けられるとか。だから、警察犬は犯人の「捕まりはしないか」という恐怖の匂いも嗅ぎとって追跡できるんだそうです。警察犬に追いかけられるような立場にはなりたくないですね。

例えば、犬の色認識能力。ご存知のとおり人間は赤、緑、青の3原色(光の3原色)を識別できます。それが人間の豊かな色の世界を形作っています。一方犬は青と黄の2原色しか識別できないそうです。だから、犬の色の世界は人間のそれより貧弱ですし、犬は緑とオレンジの見分けがつきません。広い草原でオレンジの玩具を使って「取って来い」をやると草原と玩具の見分けがつかなくて犬は困ってしまうとか。そんなわけで、犬の玩具は青系か黄色系、またはその組合せがいいそうです。面白い。

てな風に興味深い話満載な中、私にとって最も面白かったのは、犬の知恵・知能としつけに関する話。中でも特に面白かったものをいくつか紹介しましょう。

--------------------
人間でも早期教育の重要性が叫ばれていますが、犬も同様早期教育が極めて重要だそうです。特に大事なのが生後4週から12週に相当する「社会化期」。名前の通り子犬が社会性を身につける時期で、この期間に他の犬や動物(含人間)と触れ合うことが重要であり、それをしないと犬は一生社会性を身につけることができないそうです。いや、恐ろしい。さらには、この時期に嫌な思いをするとそれが一生涯のトラウマになるそうです。

私には身に覚えがあります。私んちのワンコが3ヶ月になるかならないかの頃、ワンコが悪いこと(e.g.人を噛む)をすると、私は「ここがしつけどころ」とばかり、犬のしつけ本に従って厳しくしつけていたのです。で、どうなったか。ワンコは私の言うことは素直に聞くようになりましたが、いまだに私を恐れていて、私を見かけるとテーブルの下や他の家族のもとに逃げ込みます( iдi )

著者は体罰は絶対ダメと言い切っていて、私もこれには共感を覚えます。私は以前は「ある程度の体罰は容認する」派だったのですが、最近では義家センセイのように「体罰絶対ダメ」派になりつつありますので。

著者は体罰は効果がないとは言いません。「適切な」体罰なら効果があると言います。だけれども、「適切な」体罰を与えることが非常に難しいのだと。たいていが「不適切な」体罰となってしまい、不適切な体罰は飼い主と犬との絆を破壊してしまうと。さらにいけないのは、体罰をあたえることによって、そういう行為(身近な者に対する攻撃)が許されるのだと犬が思ってしまうことだそうです。うーんと唸ってしまうような深い言葉です。人間の世界でも、体罰を受けて育った子どもは長じて自分の子どもにも体罰をふるうようになるといいますもんね。

ならば、犬をどうしつければいいのか? 著者は以下の3つを推奨しています。

①犬が(たまたま)いいことをしたらすかさず褒める。
②ご褒美で釣ってしつける。
③犬がしてはいけない行動をしたら褒美を与えず、その後「してはいけない行動」と両立しない行動をさせ、それができたら褒美を与える。

③はわかりにくいので、ちょっと例をあげましょう。

例えば、犬の跳びつき癖を直したいとします。その場合、犬が跳びついてきたら、すぐに背中を向け黙って犬から遠ざかります(=褒美を与えない)。犬が驚いて追いかけてきたら犬に向かって「お座り」と言います(既に「お座り」をしつけている場合)。そして犬がお座りをしたらご褒美をあげます。それからしばらくの間は犬が跳びついてきそうになったら機先を制して「お座り」をさせます。これで跳びつき癖は直るそうです。

「背中を向け黙って犬から遠ざか」るというのが結構難しいんですよね。どうしても大きな声で「ダメ!」と言ってしまいます。これ、犬からすると跳びついたことで相手から反応があったことになり、かえって犬を喜ばせてしまうんですよね。「ダメ!」という言葉を犬は叱り言葉としてではなく、単なる吠え声だと捉えてしまいますから。

③の応用として「タイムアウト」法というのも効果があるそうです。犬が悪いことをしたら「やめなさい!」とか「タイムアウト!」と声をかけて懲罰室(納戸とか洗面所とか寝室とか)に犬を1,2分閉じ込めるというものです。犬は孤独が嫌いなのでこれは結構効くそうです。人間の子どもにもよくやりますよね。悪いことをしたら押し入れに閉じ込めるとか。犬にも効くんですね。

今あげたいくつかの方法はそれぞれコツが必要なので、それらについては実際に本にあたってお確かめください。

そうそう、犬のしつけ法で愉快だったのは犬ではなくモノを叱るという方法。

例えば物に対する噛み癖がある犬を矯正する場合。犬が噛んでは欲しくない物を噛んだら、犬を叱るのではなく、犬に見せ付けるようにして物の方を激しく叱り飛ばします。その物が靴なら、靴を床にバシバシと叩きつけて「ダメッ!」などと叱りつけます。

これは普通では考えつかない驚天動地の方法ですが、著者は「これは効き目がある」と自信たっぷりに言い切っています。私も機会があったら是非やってみたいですが、うちのワンコはあまりおいたをしないからなあ(←さりげなく自慢)。

この他にも、訓練しやすい犬ベスト・ワースト(※)、「親の背中を見て育つ」は犬の世界でも真理、犬は思っている以上に頭がいい(簡単な足し算ならできる! 人間の4歳児並みの知能がある!etc.)、犬は人間をどう思っているか、老いた犬へのケアの重要性・・・・等々面白い話、役に立つ話が満です。
 ※うちのワンコはベスト10に入ってました。よかった。

最後に年取ってから学習する者にとって励みになる話しを紹介して終わりにしましょう。

英語のことわざに"You can't teach an old dog new tricks."(老犬には新しい芸を教えられない)というものがありますが、著者に言わせるとこれはウソだそうです。何回も実験した結果、老犬も若い犬同様新しいことを覚えるそうです。ただし、ひとつだけ老犬が若い犬と違うのは、老犬はすでに覚えていることを忘れることが難しいことだそうです。年寄りは前例や慣習、因習にとらわれてしまうってことですよね。それさえ打破できれば、学習能力は若い者に負けないということで、あとは気持ちの持ちようということになるでしょうか。

【じっちゃんの評価:★★★】
※★4つにしてもよかったんですが、文章が冗長でちょっと退屈する部分があること、タイトルにあってとても期待していた「犬も平気でウソをつく」についてあっさりした記述しかなかったことで★ひとつマイナスとしました。

スポンサーサイト

COMMENT

こんにちはー。
面白いタイトルですねぇ、
うちの実家の犬は13歳でもうしつけは遅いですが、
早くこの本がでていたならもっとおりこうだったかも^m^
ちなみに猫は赤色が見えにくいと何かの本で読みました。
一度犬猫の視点で見てみたいなぁ。

ところで、英検1級合格なさったんですね!
すごい!おめでとうございます~!

ひだまりねこさん、おはようございます。

>一度犬猫の視点で見てみたいなぁ。
そうですね。それは面白いかも。

>おめでとうございます~!
ありがとうございます。
今後も英語道に精進いたします(*´▽`*)

EDIT COMMENT

非公開コメント

カレンダー
09 | 2017/10 | 11
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31 - - - -
全記事表示リンク
検索フォーム
コメント・TBについて

コメント・トラックバックをされる場合は注意事項をご覧ください。

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。