プロフィール

じっちゃん

Author:じっちゃん
翻訳家。
もとコンピュータ技術者。二足の草鞋で翻訳を始め、定年後フリーランサーに。
【趣味】
①読書:ミステリを中心に時代・歴史小説、歴史や科学などのノンフィクション
②四国遍路(2015年11月結願)
③街道歩き(現在敢行中)
④SNS(ブログ、Facebook、Line)
⑤観劇
管理者ページ

カテゴリ

openclose

お気に入りブログ
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

お気に入り作家の処女作を読む-『ホラー作家の棲む家』


三津田 信三 / 講談社(2001/08)
Amazonランキング:68049位
Amazonおすすめ度:


『厭魅の如き憑くもの』ですっかりお気に入り作家となった三津田信三さん・・・・と言いながら、『厭魅』を読んでから早くも1年近くが経っていますが(;^_^A  『厭魅』以降も既に数作が発表されており、その中には『厭魅』の続編もあります。そちらも気にはかかるのですが、今回はそちらではなく処女作の方に取り組んでみました。というのも、私はある作家が気に入るとその処女作から順番に読みたくなるんですよね。

『厭魅』はホラーと本格ミステリを融合した傑作でしたが、この『ホラー作家の棲む家』は純粋なホラー。もっともこの作者のことですから、ミステリ的要素もふんだんに盛り込まれておりミステリファンでも楽しめる内容となっています。例えば、ある有名作品の有名トリックがさりげなく(あからさまに?)取り込まれていてにやりとさせられます。

--------------------
このお話の主人公は編集者兼アマチュアホラー作家。彼が同人誌にホラー小説を連載することになり、そのヒントにと古い洋館(※)を探し出し、挙句の果てはそこを借りて住むことになるところから話が始まります。

こう書くとどうにも陳腐な展開ですが、作者の筆致、物語運びが巧みなせいで、不自然さはまったく感じられず、私はすんなりと物語の中に入っていけました。ここら辺が三津田さんの凄いところですね。

さてこうして洋館に住み始めた主人公はホラー小説の執筆を開始します。お話はその主人公が書くホラー小説と主人公の身辺の出来事が交互に繰り返されるという体裁になっています。要するに主人公の書くホラー小説が一種の劇中劇になっているわけです。

もともと主人公が洋館を借りたのはホラー小説を書くためのヒントにするためですから、彼が執筆するホラー小説でも当然のごとく洋館が舞台となっています。しかも主人公の住む洋館とそっくりの洋館が。

そして、そのホラー小説が進行するにつれて主人公の周りでも奇怪な現象が起き始めます。しかも--勘のいい方なら察しがつくと思いますが--ホラー小説と現実がシンクロした形で。

ここでも、『厭魅』におけるような、ぞわぞわっと恐怖感を盛り上げる作者の手腕は健在です。気の弱い人ならページをめくることがためらわれるでしょう。ただ、あえて難癖をつけるなら、『厭魅』が純和風な怖さだったのに対し、こちらは西洋風ホラーのため、私的には『厭魅』より怖さが迫ってきませんでした。

最後にどんでん返しの大技が待っていてアッと言わせてくれます。ただ、勘のいい読者なら、このどんでん返しの全部とまではいわないまでも一部については事前に予想ができてしまうかも知れません。私も読んでいて劇中劇のホラー小説と「現実」の間の妙な関係に気づいてアレっと思ったのですが、やっぱりそれがトリックの一部になっていました。

実は、主人公のアマチュアホラー作家というのが三津田信三その人で(※)、作中には実在の作家や翻訳家が実名で登場し(といっても物語の中で活躍するわけではなく、間接的に登場するだけですが)、それもこの作品の興趣を盛り上げています。
 ※これは冒頭から明かされていますのでご心配なく。

【じっちゃんの評価:★★★】
蛇の足
私はもともとミステリ好きなので純粋ホラーには点が辛くなってしまいます。やっぱり三津田さんの作品では、純粋ホラーの三津田信三シリーズよりもホラー+ミステリの刀城言耶シリーズの方が性に合ってるかな。

スポンサーサイト

COMMENT

前回の赤川次郎さんの本の評の辛さを読んで、
「うお!点辛~!でもわたしもそう思う」とおもったのですが、
残念ながらこの三津田信三さんのはまだ読んでいない(と思う
ので・・・
でもその漢字変換も難しそうな「厭魅の如き憑く物」、評判になってたし、やっぱりぜひ読みたいな。じっちゃんのお薦めもあるし。

まーめさん、赤川次郎への評価同じですか。
ほっとしました。
赤川次郎は粗製濫造、売れればいいの
精神が気に入らないんですよね。

三津田信三さんは好き嫌いが分かれる気もします。
『厭魅の如き憑く物』は話が錯綜して混乱するので、
読まれるならじっくりゆっくり読まれることを
おススメします。

おはよです。
これと「作者不詳」が入手できずなんですよ(>_<)
羨ましいです。

>これと「作者不詳」が入手できずなんですよ(>_<)
そうなんですか。私は確かこれネット古本屋の「古本市場」で
手に入れたと思います。
でも、今「古本市場」に行って調べたら品切れですね。

いくつかの本屋で注文したのですが、
どこでやってもだめでした(当たり前だけど)。
アマゾンの古本ではあったのですが、
どうやらカードがないと購入できないみたいで・・・(>_<)
誰か友人にでも頼もうかと思案中だったりです。

シンさん、おはようございます。
手に入らないとなると余計読みたくなりますよね。
図書館にはないですかね。

EDIT COMMENT

非公開コメント

カレンダー
07 | 2017/08 | 09
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31 - -
全記事表示リンク
検索フォーム
コメント・TBについて

コメント・トラックバックをされる場合は注意事項をご覧ください。

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。