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じっちゃん

Author:じっちゃん
翻訳家。
もとコンピュータ技術者。二足の草鞋で翻訳を始め、定年後フリーランサーに。
【趣味】
①読書:ミステリを中心に時代・歴史小説、歴史や科学などのノンフィクション
②四国遍路(2015年11月結願)
③街道歩き(現在敢行中)
④SNS(ブログ、Facebook、Line)
⑤観劇
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英検1級合格体験記⑨ボキャビル編その4

※前回の合格体験記はこちら

ボキャビルの話は前回までで主要なところは終わっていますが、まだ若干書き残していることがありますので、今回それを補ってボキャビル編を終わりにしたいと思います。

実はボキャビルにあたって使った参考書はこれまでにあげたもの以外に何冊かあります。まずはそれをご紹介しましょう。

なかでも最も役に立ったのはコレです(↓)。

Marvin Terban / Scholastic Reference(2006/07)
Amazonランキング:9799位
Amazonおすすめ度:

--------------------
『Pass単』は単語のみならず、熟語(イディオム)も取り上げていますが、熟語を覚える時に困るのは、熟語を構成する個々の単語の意味を組合せただけではその熟語の意味が想像できないものが多数含まれることです。これが記憶する際の障害になります。

例えば、"put up with"という熟語があります。これは「我慢する」という意味ですが、個々の単語・・・"put"(置く)、"up"(上に)、"with"(と共に)・・・からはどこをどうやったら「我慢する」という意味が出てくるのか想像がつきませんよね。

また、有名なイディオムとして"rain cats and dogs"という表現があります。これはご存知のとおり「(雨が)土砂降りに降る」という意味ですが、猫と犬が「土砂降り」とどうつながるのかさっぱり分かりません。

「そんなの気にせず"put up with"や"rain cats and dogs"をひとつの単語だと思ってかたまりで覚えればいいんだよ」というのが一般的な考えでしょうし、それはそれで正しいと思うのですが、私はやっぱり理数系なんでしょうか、こういうところを「気にせず」にはいられないんですよね。それに、その熟語がなぜそういう意味になるのかが分かれば記憶の大きな助けになるのは間違いありません。

というわけで、熟語の由来を書いた参考書はないかとネットやアマゾンで調査したのですが、その結果行き当たったのがこの本というわけです。

この本はアメリカの小学校高学年生(9~12歳)向けに書かれたもので、その名の通り、英語の代表的なイディオムすなわち熟語についてその意味と由来を解説したものです。700以上のイディオムが取り上げられていますが、その多くは私の知らないもので、私の語彙力はアメリカの小学校高学年生並みあるいはそれ以下であることを改めて思い知らされました。というわけで、そんな私の嘆きはともかく、英検1級レベルの参考書としても十分使えます。

この本の内容を簡単に紹介しましょう。先ほどの"to rain cats and dogs"の例で言えば、こんな解説が書いてあります。

<原文>
There are several theories about the origin of this popular idiom, which goes back at least to the mid-1700s in England. One comes from Norse mythology, in which dogs were associated with windy storms and cats were associated with rain. Also, in England in the 17th and 18th centuries, many cats and dogs drowned in floods caused by torrential rainstorms, and their bodies were found in the streets afterward as if they had fallen from the sky with the rain.

<じっちゃん訳>
このよく使われるイディオムの由来には諸説あって、少なくとも1700年代中ごろの英国に遡ります。一つの説は、犬を嵐に、猫を雨に結びつけた古代スカンジナビア神話に由来しているというものです。また、17、8世紀のイギリスにおいて、激しい暴風雨によってもたらされた洪水で犬や猫が溺れ、暴風雨が過ぎ去った後にその死骸がまるで雨とともに空から落ちてきたかのように街なかで見つかったからだとする説もあります。

ね、こういう風に由来が分かってみると、"to rain cats and dogs"の意味も頭の中にすっと入ってきて覚えやすいし、二度と忘れませんよね。

残念なのは、この本で取り上げられている熟語が狭い意味のidiomのみであること。ちょっと説明しづらいんですが、複数の単語の組合せに文化的・歴史的肉付けがされて、元の単語の組合せからはその意味がまったく想像できないような特殊な意味を帯びたもの(※)のみを対象としています。したがって、"take care of"のように元の単語の意味から意味が想像つくものや、"go through"とか"look up to"といった、動詞と副詞や前置詞を組み合わせた、いわゆる句動詞(phrasal verb)は対象外になっています。先ほど例にあげた"put up with"も句動詞ですのでこの本には載っていません。
  ※ ほとんどことわざに近い感じの熟語と言ったらわかりますかね。日本語で言えば、
    「鯖を読む」「二の舞を舞う」「重箱の隅をつつく」といったような「慣用句」に相当
    します。

そこで、この本で取り上げられていない一般的な熟語についても同様の本がないか探してみました。特に句動詞についてはどうしても解説本が欲しく、いろいろ探してみたのですが、残念ながら私の目的にぴったりはまるものがありませんでした。やっぱり句動詞はどうしたらそう意味になるのか説明しづらいんでしょうね。「そういう意味なんだからそうなんだ」というのしかないのかも知れません。万が一、どなたか句動詞に関していい本をご存知の方がいらっしゃったら紹介していただけるとうれしいです。

なお、『Scholastic Dictionary of Idioms』を補完する意味で以下の本も買いました。残念ながらこの本も対象とする熟語は『Scholastic Dictionary of Idioms』と同様で、句動詞は含まれません。


/ Collins CoBUILD(2002/06/05)
Amazonランキング:22578位
Amazonおすすめ度:


これも中々のスグレ本ですが、イディオムの由来についての記述が少ないこととと、時間の都合で英検1級の受験勉強にはほとんど使いませんでした。

また、単語の語源関係の参考書として以下の本も買いました。内容が濃すぎたり、英検1級受験用参考書としては向いていなかったり、受験勉強で使うには買うのが遅すぎたりであまり使いませんでしたが、いずれ劣らぬスグレ本ばかりですので、ここで紹介させていただくとともに、私自身今後大いに活用しようと思います。


『英語語源辞典』は文字通り、最新の研究成果に基づき英語の単語の語源を解説した辞典。英語の語源に関する資料では世界一ではないかとの評価さえある名著で、素人の私が見ただけですごい労作だとわかります。税込み7,770円とそれなりの値段ですが、この情報量に対する対価としては安すぎると思えるほどです。

『英単語まんだら』は英語の語源を家系図のようにツリー状に図解するという、ありそうでこれまでなかった語源本。漫画やイラストをふんだんに使って楽しく仕立て上げており、軽そうな本に見えますが、かなりの労作であることは間違いありません。

『語源で楽しむ英単語』は単語の語源を読み物としてまとめたもので、英語好きにはたまらなく面白い本。私は以前同じ趣向の『語源でわかった!英単語記憶術』(文春新書)という本を読んでいたので、この本を最後まで読み通すことはしませんでしたが、ボキャビル強化を目指す方はこの本か『語源でわかった!英単語記憶術』のいずれかを読まれることをおススメいたします。

さて、これで4回にわたったボキャビル編もようやく終わりです。英検1級1次の受験勉強で私が最も力を入れたのは語彙力の強化です。というか語彙力強化以外はほとんどやらなかったというのが実情で、1次の受験対策についてはここで終えて、2次の対策へと話を移してもいいくらいです。

私がこんなに語彙力強化にこだわったのは特にたいした理由ではなく、語彙力が英語力強化における基本中の基本だから。リーディングもリスニングもライティングもスピーキングも語彙力がなければ始まりません。「そんなのとうからわかってるよ~」とおっしゃるかもしれませんが、現に学習する団になると、語彙力の強化をおろそかにしたまま他の能力開発にとびついてしまう英語学習者が多いように思えます。

その理由のひとつに、語彙学習の大変さがあると思います。単語や熟語ってひたすら記憶するしかないですからね。つまんないです。しかも覚えたそばから忘れていきますからつらくもあります。さらに言えば、機械的暗記は「悪」みたいに決め付ける教師や教育評論家が多いですからね。機械的暗記がどうしても必要な語彙学習は敬遠されてしまいます(※)。
  ※ 私は機械的暗記学習は何かを学ぶ際にどうしても必要な学習方法だと思って
    います。そのことを論じると長くなるので今回は割愛。

でも、それでも、語彙学習は必要です。語彙力のない語学力なんてありえないですから。

それは英検1級受験でも同じ。まずは、1次試験でも難関中の難関と言われるおなじみPART1。そのものずばり語彙を試すPARTです。配点も結構高いし、1次試験に合格するにはここで少しでも点を稼ぐことが重要になります。

それから、語彙力が必要なのはPART1だけではありません。PART1ほどではないにせよ、他のPARTでも結構難しい単語や熟語が出てきます。例を見てみましょう。私が受験した2007年第1回の問題から。

◆筆記式PART2・1問目に出てくる単語例
counterfeit, underestimate, devalue, undermine, domain, new breed, from all walks of life, decent, sneak in, reengineer, polymer, burden, carcinogenic, compound

◆筆記式PART3・1問目に出てくる単語例
taxonomy, derive, adolescent, plumage, trait, pitfall, genetic, transform, be banded, specimen, remainder, invasive, secure, distinguish, reveal, aid in, grail, amphibian, lion's share of, endangered

ね、結構難しい単語があるでしょう? 「難しくないよ。ほとんど知ってるよ」って方がいらっしゃったら、その方は現時点で語彙力に関してはもはや英検1級合格レベルにあるのではないでしょうか。

これらの単語の中にはその意味がわからなければ問題を解くのが不可能ないしは難しくなるだろうというキーワードもいくつか混じっています。それがなくとも問題を解くのに差し支えない単語であっても、知らないより知っているほうがひっかかりが少なく問題を解くのが速くなるのは間違いないでしょう。

リスニング問題については調べませんでしたが、リスニング問題でもやはり語彙力が重要なのは間違いありません。このようにPART1以外でも語彙力は合格のための重要なキーになってきます。英検1級を受験するみなさん、語彙力強化は合格の鍵となりますので、ゆめゆめ疎かにされませぬよう。

先ほど語彙の勉強は「つまらないし、つらい」と書きましたが、語彙の勉強にはいい面もあります。それは進捗が目に見えてわかることです。リーディングやリスニング、ライティングやスピーキングは自分の進捗がわかりにくいですが、語彙力の場合は覚えた単語や熟語を数えることにより進捗を確認できます。そして、それが励みになります。

では、これにてボキャブラリ編はおしまいです。長々とお付き合いありがとうございました。

次回へつづく>
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COMMENT

こんにちは!

紹介してくださった本は、勉強の為ではなく「本」として読んでも面白そうですね!
7770円 覚悟のいる数字です。

宮沢賢治を好きな私は、15,000円の「新 宮沢賢治 語彙辞典」を持っていますが、清水の舞台から飛び降りる心境でした!

英語は日本の中学1年生レベルですが、
文法は×。
まるごと覚えてしまいましたので、「ありがとう」にたいしての「いいえ」の「ヨーウェルカン」が
書くときに“You are welcome. ”か“Your welcome. ”か分からなくなります。

でも、中学生の頃(56年前です^_^;)先生から聞いた変なことばはおぼえています。
“Your ears are low. ”
「床屋さんに行ったね」

オクラホマの田舎で使わていた・・・とか)^o^(

ケイさん、こんばんは。

宮沢賢治お好きなんですか!
私も「銀河鉄道の夜」「風の又三郎」「注文の多い料理店」
などを読んでいますが、どれも素晴らしい出来でした。
宮沢賢治はオノマトペをはじめとして独特な言葉使いを
する人ですから「語彙辞典」も必要になるんですね。

“Your ears are low.”という表現は初めて聞きました。
言われてみれば「なるほど」と合点のいく表現ですね。
やっぱ英語は奥が深いです。
そういう表現にまで目が届くようになるまで
後どれくらいかかるか。溜息が出ます。

onomatopoeia・・・
この言葉を初めて聞いたのは長女が高校で日本語をとった時でした。 「日本語って沢山あるのね~擬音語が」・・・と面白そうに沢山覚えましたよ、 オノマタピアだけは特に・・・e-343

けいさん
色んな表現をご存じなんですね
驚きました
“Your ears are low.”・・・
というのは今ではあまり聞かれないようですけど、 そういう表現ってよくありますよね  (直ぐに思いつかないんですが・・・)
逆に日本らしい発想を元に英語で表現してもこちらの人にはピンと来ない様な顔されてしまったり・・・(苦笑) 

ところで・・・
先日の extravagant ですが 
lavish 同様、 贅沢な、というニュアンスに近いと思います
派手、 というよりも・・・

要らぬお節介、 御免なさい~~v-356v-356v-356

こんばんは v-411

単語を覚えていなければ進歩がありません
よく考えてみれば当たり前のことですね~
文章は単語の組み合わせなんですもの
その核となるものを覚えていなければ、いくら文法が
判っても、表現のしようがありません!
勿論、じっちゃん様の書いていらっしゃるように
聴いてもさっぱり理解できないでしょうv-356

拍手もひとつ入れておきました
とても説得力のある今回のブログです
それにしても熟語や昔のことわざってどうしてそうなったか
理解した方が覚えるというのに賛成です
ピットママは理数系ではないですが、どうしてなのかを
理解するタイプなので、またまたじっちゃん様の意見に賛成ですv-344

あ~面白かった v-315

梓の小鳥さん、こんばんは。

擬音語は日本語の誇る特徴ですからね♪

“Your ears are low.”ってあまり聞かれないんですか。
英語らしい面白い表現ですのにね。

ところで・・・
extravagantをうちの辞書(ジーニアス)で引くと以下のような意味が載っています。

金遣いの荒い、ぜいたくな、過度な、けばけばしい

これって梓の小鳥さんの感覚とは合わないですかね(^.^;

 

ピットママさん、こんばんは。

私の意見にご賛同いただきありがとうございます!

知ってる単語の数は少しづつでも増やしていく努力が必要だと思います。

>熟語や昔のことわざってどうしてそうなったか
>理解した方が覚えるというのに賛成です
でしょでしょ。
理数系は関係なかったですね(^.^;

ひゃ~
本当に難しいですねぇ、 日本語
私、 派手と贅沢を分けて考えてたものですから・・・
日本語の解釈力が弱って来てるのかも、 ですね~ (汗)

派手といいたい時に私がよく使うのは showy とか flashy

けばけばしい・・・
例えば昔のエルトン・ジョンみたいな?けばけばしさにはflamboyant

金遣いが荒い・・・
これは extravagant より prodigal の方が合ってるんじゃないでしょうか 
prodigal はwasteful な extravagance ということでただの extravagant より性質が悪い・・・(笑)

・・・とこれが私の解釈です
間違ってたら悪しからず~

>>>“Your ears are low.”ってあまり聞かれないんですか。

私が聞かないだけで娘達や夫には馴染みのある表現かも知れません・・・
こんど訊いてみますね

梓の小鳥さん、おはようございます!

丁寧な解説ありがとうございます。
やっぱり日本の辞書の解釈と実際に現地で暮らしている方の感覚との
間には微妙なずれがあるようですね。
それは原書を読んでいてもしばしば感じます。
なお、flamboyantもprodigalもextravagant同様
英検1級単語集に載ってましたよ~。

ところで、ブログの記事にも書きましたが、
今日から6日間出張です。
ブログへの訪問が滞るかも知れませんが、ご容赦を!

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