プロフィール

じっちゃん

Author:じっちゃん
翻訳家。
もとコンピュータ技術者。二足の草鞋で翻訳を始め、定年後フリーランサーに。
【趣味】
①読書:ミステリを中心に時代・歴史小説、歴史や科学などのノンフィクション
②四国遍路(2015年11月結願)
③街道歩き(現在敢行中)
④SNS(ブログ、Facebook、Line)
⑤観劇
管理者ページ

カテゴリ

openclose

お気に入りブログ
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

9月10月に読んだ本をまとめて紹介

ほんとうは地方巡業後半(札幌・仙台)の話を書こうと思ったのですが、最近その種の話ばっかりで、このブログの本来のテーマである「本のレビュー」をまったく載せていません。そのことに気が差して、急遽予定変更して本のレビューを書くことにいたしました。

でも、本のレビューが停滞していた理由のひとつに、どうしてもレビューしたいって本がなかったってこともあるんですよね。というわけで、一冊だけのレビューではもたないので、9月以降に読み終えた本をまとめて紹介いたしましょう。すでにレビュー済みの本(『イニシエーションラブ』 『霧の壁』 『真剣』)は除きます。

では、一番バッター『ソウルで新婚生活』から行きましょう。

『ソウルで新婚生活。―新妻ヨーコちゃんの韓国暮らし』(たがみ ようこ、大和書房)★★
・・・韓国へ嫁いだ作者が4コマ漫画を交えながら面白おかしく綴るエッセイ集。それなりに楽しめますが、小栗左多里さんの『ダーリン』シリーズに比べて観察眼もユーモアも切れに欠ける感があります。

--------------------

『行きずりの街』 (志水辰夫、新潮文庫) ★
・・・『このミステリーがすごい!1992年版』国内部門1位&第9回日本冒険小説協会大賞国内部門大賞受賞作という凄い肩書きの作品。著者初体験ということもあってわくわくしながら読んだのですが、私の嫌いな大甘系ハードボイルド(巻末注参照)でした。ミステリとしての結構も大甘で、なんでこんな小説が高く評価されるのか私には理解できません。

『わが恋せし淀君』(南條範夫、講談社大衆文学館文庫)
・・・淀君ファンの青年がタイム・スリップして淀君の時代に現れる、という超ご都合主義的だけれど魅力的な設定のSF時代小説。隠れた名作という触れ込みなので期待して読んだのですが、残念ながら期待はずれ。もともと著者はSF的素養には乏しそうなのでSF的面白さにかけるのは仕方ないとして、肝心の「現代青年と淀君(や戦国武将)の出会いが何を引き起こすか」という点において生ぬるさが否定できないのではどうしようもありません。

『六死人』 (S・A・ステーマン、創元推理文庫)★★
・・・6人の主要登場人物がひとりまたひとりと殺されていき、そして最後のひとりも・・・。このプロットから、ミステリファンであればハタと思い当たることがあるでしょう。そう、この作品はクリスティの『そして誰もいなくなった』の先駆作品なんです。訳者によると「クリスティの作品と同じ程度の出来映え」とのことなので期待して読んだのですが、結果は大ハズレ。トリックも陳腐だし、犯人もすぐ見当がついてしまいます。そして何よりも、リーダビリティに乏しいストーリー展開と翻訳臭ふんぷんの古めかしい翻訳に辟易しました。

『魔境殺神事件』(半村良、祥伝社文庫)
・・・「殺人」事件ではありません。「殺神」事件です。それだけで興味津々なのに、作者は手練れのSF作家、『石の血脈』『戦国自衛隊』 『産霊山秘録』など数々の傑作をものした半村良。期待は大いに膨らみます。設定もいいしね。その「殺神」事件は超能力者たちが跋扈する「魔境」で発生し、殺された「神」は80メートルほどの高さに浮かんだロープによって首を括られていたというんですから。超能力者といえどもそれほどの力を持つものはいないということで不可能興味も満点です。彼は誰が何のためにどのようにして殺されたのか・・・フーダニット、ホワイダニット、ハウダニットのすべてが盛り込まれていて大いに興味をそそられます。しかし、残念ながら、その興味は少しずつ減退させられていきます。ストーリー展開が平板で起伏がなく面白くないのです。それでも「おそらく驚愕の結末が待っている」と我慢して読み進めたのですが・・・。しかし、しかし、結末は別の意味で驚愕でした。まさかこんな犯人、まさかこんな動機、まさかこんな方法・・・。当初の期待がことごとく裏切られます。これはもはやSFとしてもミステリとしても物語としても失格としかいいようがありません。

『プラハからの道化たち』(高柳芳夫、講談社文庫)』★★
・・・昭和54年の乱歩賞受賞作。東欧共産圏崩壊前のチェコスロバキア。ソ連軍の侵入によって「プラハの春」が破られた、まさしくその時を舞台にした国際謀略小説。乱歩賞初の国際スパイ小説ということで当時は騒がれたようですが、今ではその新鮮さは失われています。それなりに面白くは読めましたが、「それなりに」以上でも以下でもありません。「謎」と言う意味でのミステリとしての興味が乏しいのも残念。

『定年前・定年後 新たな挑戦「仕事・家庭・社会」』(ニッセイ基礎研究所、朝日新聞社)★★★
・・・定年まで一ケタになって以来この手の本は何冊か読んでます。でも、この本も含めて心底「役に立った」と言える本はないです、残念ながら。でも、この本は数年にわたって定年前・定年後の男性に対して幅広くアンケート調査した結果に基づいて書かれているという点で他の本とは一線を画しています。ただ、それに頼りすぎて突っ込み不足になっているのが難点。

  注: 大甘系ハードボイルド: 以下の特徴を持つ。
     ①主人公は過去に傷を持ち、現在もそれを背負い込んで生活している。
     ②主人公はいやにタフで、殴られても殴られても相手に対して憎まれ口をきき、
       おまけにどれだけボコボコにされても次の日にはピンピンしている。
     ③主人公の口からは洒落たせりふがぽんぽん飛び出す。
     ④知的でかっこいいセリフを吐く割にはなんでも腕力で方をつけようとする。
     ⑤出てくる女性が男性にとって都合のいい女性像になっていて、最初は主人公
       に冷たい態度を取っているのに、最後には必ず主人公になびく。
     ⑥文章が感傷的。起きている出来事はリアルから程遠いのに筆致はリアルを
       装っている。
     ⑦斎藤美奈子がその著書(たとえば『あほらし屋の鐘が鳴る』)でけちょん
       けちょんにけなしている。

スポンサーサイト

COMMENT

『六死人』
アガサ・クリスティーは大好きです。
「そして誰もいなくなった」
And Then There Were None に改題される前は
Ten Little Niggers(英) Ten Little Indians(米)だそうですが、
この『六死人』の原題はまさかSix Little Niggers(とかIndians) じゃないでしょうね。
辟易とおっしゃっていますが、読んでみたいような気が・・。

ケイさん、おはようございます。
クリスティーお好きなんですか!
私も好きというほどではないですが、結構読んでます。

『六死人』はフランス・ミステリです。
作者のS・A・ステーマンはベルギー人ですから、
ポアロと同じですね。
したがって原題もフランス語。
"Six Hommes Morts"といいます。
英語にすれば"Six Dead Men"ですので、
邦題のまんまですね。
クリスティーの作品の題とはまったく関係ないようです。

EDIT COMMENT

非公開コメント

カレンダー
04 | 2017/05 | 06
- 1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31 - - -
全記事表示リンク
検索フォーム
コメント・TBについて

コメント・トラックバックをされる場合は注意事項をご覧ください。

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。