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じっちゃん

Author:じっちゃん
翻訳家。
もとコンピュータ技術者。二足の草鞋で翻訳を始め、定年後フリーランサーに。
【趣味】
①読書:ミステリを中心に時代・歴史小説、歴史や科学などのノンフィクション
②四国遍路(2015年11月結願)
③街道歩き(現在敢行中)
④SNS(ブログ、Facebook、Line)
⑤観劇
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著者のイメージと異なる伝奇的小説~『実朝の首』



 源実朝の暗殺事件にはいくつもの謎がある。その最大の謎は首が誰かに持ち去られ、最後まで見つからなかったことだ。本書はその謎を中心に据え、(私が勝手に抱いている)著者のイメージ(=藤沢周平的静寂な物語)とは異なる伝奇的小説に仕上がっている。

 この本は遍路の最中に読んだ。実は遍路中は夢枕獏の『沙門空海唐の国にて鬼と宴す』全4巻を読破しようと思っていたのだが、巻ノ二を読み終えた後訪れた今治の書店に巻ノ三が置いてなく、その代りに買い求めたのが本書だった。

 しかし、それは正解だったのかもしれない。実朝には昔から(なんとなく)シンパシーを感じていたこともあって、いきなり実朝の暗殺から始まる冒頭から物語の世界に引き込まれた。

 史実に裏打ちされた著者の筆致は確かで、どこまでが史実でどこからが虚構なのか分からなくなる。しまいには全部が史実のように思えてくるが、著者のあとがきを読むと、その多くが著者の想像の産物のようだ。しかし、著者が描く実朝暗殺の真相は、さもありなんと思わせる説得力のあるもので、しかもいったん真相が明らかになった後に、さらに意外な真相が明らかになる構成もすばらしい。

 登場人物も魅力的で楽に感情移入ができる。ここらへんの作者の手腕はさすがだ。ひとつ残念なのは、史実に合わせるためだろう、主人公たちが作者の描く人物像にそぐわないように思われる行動を取る場面がみられること。

 しかし、主人公たちと北条家、鳥羽上皇との丁々発止のやり取りも面白く、スピーディで先を読ませない展開は、いったん読み始めたら止まらなくなること請け合い。
【じっちゃんの誤読的評価:★★★☆】

P.S.
 本書に出てくる北条政子が理想的なリーダー像そのもので、その立ち居振る舞いに感動させられた。北条政子の物語を読みたくなった。
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