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じっちゃん

Author:じっちゃん
翻訳家。
もとコンピュータ技術者。二足の草鞋で翻訳を始め、定年後フリーランサーに。
【趣味】
①読書:ミステリを中心に時代・歴史小説、歴史や科学などのノンフィクション
②四国遍路(2015年11月結願)
③街道歩き(現在敢行中)
④SNS(ブログ、Facebook、Line)
⑤観劇
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仏教をお勉強する~『仏教 第2版』



 最近仏教に関心があって、勉強というほどではないが、いろいろと本を読みはじめている。四国遍路に関係の深い般若心経についてはそれなりに読んだので、いよいよ本丸を攻めることにした。

 その最初の教科書がこれ。仏教を学ぶときの基本書と言われている。

 まず著者による前書を読んで驚いた。

「仏教とは何かという問いに答えるのが本書の仕事である。(中略)本書を通読すれば仏教についてひととおり基本的な知識が得られるように工夫する。どうしても必要なテーマを落とさないように注意する。叙述をできるだけ平易にして、予備知識なしに読めるように気をつける。それと同時に、内容については専門学者の批判に耐え得る水準を保ち、学問的に責任の持てることのみしか書かない。仏教において人生の指針を求める人びとの手引ともなる。学生や研究者の参考書としても役に立つ」

 すごい意気込みであり、自信ではないか。これなら本当に仏教の基本を押さえられそうである。読む前から期待が盛り上がる。

 本書の内容は大まかに分けて、①現代における仏教の状況、②仏教研究の歴史、③仏陀誕生以前のインドの状況、④仏陀の生涯と仏教成立のプロセス、⑤仏教の教えである。

 これを見るかぎり必要十分な内容と言える。ただし、注意すべきは、本書が主として扱うのはインド仏教であり、中国や日本における仏教については軽く触れる程度にとどめると著者自身が宣言していることである。

 全体的な感想を言う前に、本書を読んでいて「おっ!」と思った新しい発見について書こう。

・仏陀=釈迦ではない。
 仏陀とは「悟って解脱を遂げた人」のことであり、固有名詞ではなく普通名詞である。釈迦は仏陀だが、仏陀は釈迦以外にも存在しうるし、実際釈迦以前に仏陀が存在したという記録もある。

・釈迦は菩薩だった。
 菩薩とは「仏陀となる資格を備えた者」であり、したがって仏陀になる前の釈迦は菩薩である。実際本書では解脱する前の釈迦を「ボサツ」と呼んでいる。

・釈迦は妻(お妃)も家庭も捨てて修行に入った(ここまでは知っていた)。さぞや妻は釈迦を恨んでいるだろうと思っていたら……
 ところがどっこい。釈迦が仏陀になった後、妻は彼に帰依して世界初の尼僧になっている。釈迦を恨まなかった妻も、そうさせた釈迦も相当な人物である。

・日本で言う「成仏」に相当する概念は(そもそもの)仏教にはない。
 仏教でいう「成仏」とは「悟って解脱し仏陀になる」ことを指し、日本のように死ねば「成仏」という考えはない。

・仏教で最も重要な徳目は「四摂事」「四無量」
 「四摂事」とは「布施」(他人に施す)、「愛語」(他人に優しい言葉をかける)、「利行」(他人の役に立つことをする)、「同事」(他人の身になって行動する)であり、「四無量」とは「慈」(他人の幸福を願う)、「悲」(他人を不幸から救い出す)、「喜」(他人の喜びを自分の喜びとする)、「捨」(これらの徳目にとらわれない)である。
 これらを総合してひと言で言い表せば、要するに「利他主義」であり、これはひとつ前の記事にも書いたように、幸福を説くどんな自己啓発書でも必ず説く教えである。最後の「捨」というのが逆説的でいかにも東洋的だ。
 
 このように興味深い内容に満ちた本書ではあるが、本書を読んで仏教の基本を押さえることができたかというと疑問が残る。

 仏教が成立した背景とか歴史についてはコンパクトにうまくまとめられているが、その思想についてはあまり突っ込んだことは書かれていない。また、前書きに断りがあるように、仏教が日本にどのように受け入れられ、変遷し、現代に受け継がれているかにはほとんど言及がない。

 その意味で前書きで豪語している「仏教とは何かという問いに答える」という目的には十分に応えられていないように思う。
【じっちゃんの誤読的評価:★★★】
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COMMENT

「四摂事」「四無量」

こんにちは o(^ - ^)o

もう仏教とか宗教の起源・歴史については
全然、疎いピットママです〜
なんせ、無宗教ですので (^o ^;
両親が信心をあまりしていなかったので
そういう環境に育っておらず主人の実家では
兄嫁がこだわりがあるので対応が大変です
一応、嫁なので主人の実家の宗教行事を遵守してます
o( _ _ )oアタフタ~

宗教に関わらず、色々なことに興味を持って
本を読んだりテレビや新聞で情報を得たり
インターネットで調べたりは違う視点を知ることが
できるのでグッドだなと思います

「四摂事」「四無量」の意味の解説を知って
なるほど大事な事だなと思いましたよっ

No title

ピットママさん

はばかりながら、私も無宗教ですっ!
(…っていばることじゃないか(^^;)

でも、日本人は「この神さんをとことん信じてる!」ってのはないけれど、そこはかとない宗教心を誰しもが持っています。折に触れ神社やお寺にお参りするのもそうですし、「悪いことしたらバチが当たる」とか、「お天道様に申し訳がたたない」とか、人間を超えたものに対する畏れみたいなものを持ってますから。

私はそんなぼんやりした日本人の宗教観がけっこう気に入ってるんですけどね。

ええええええ!?!?

ここしばらく忙しくて、お邪魔していなかったのですが、久々にお邪魔させて頂いたら、何と!ブログ打ち切りのお知らせ! ちょっと驚いています。

僕は、ブログを始めてまだ一年ちょっとですが、関岡さんが定期的にコメントを下さる初めての方だったので、何だか指針を失うようで、とても寂しい気持ちです。

しかし、関岡さんなりに思うところがあっての御決断だと思うので、僕ごときがどうこう言える問題でもないと思います。

ま、あたり前のコメントでの締めくくりで恐縮ですが、またの再開を楽しみにお待ちしております。

お孫さんの写真、また掲載して下さい!

No title

トキバエさん

コメントありがとうございました。
ご返事が遅くなり申し訳ありません。
休止宣言をして以後ブログを見るのは
今日が初めてなのです。

ブログをやめた理由をあれこれ言っても
しかたがないので控えておきます。

短い間でしたがありがとうございました。
・・・と言っておきながらですが、
実は再開を目論んでおります。
それがこのブログにのこのこやってきた理由なのです。
再開といっても「便宜的な」再開なのですが、
再開は再開です。
その辺の事情は、いつになるか分かりませんが、
再開宣言の中で書くことにします。

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