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じっちゃん

Author:じっちゃん
翻訳家。
もとコンピュータ技術者。二足の草鞋で翻訳を始め、定年後フリーランサーに。
【趣味】
①読書:ミステリを中心に時代・歴史小説、歴史や科学などのノンフィクション
②四国遍路(2015年11月結願)
③街道歩き(現在敢行中)
④SNS(ブログ、Facebook、Line)
⑤観劇
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静岡が舞台だなんて知らなかった!~『箱根の坂』



 どこかを旅するとき、その旅自体ももちろん楽しいが、ぼくの場合はその土地に関連した本を読むことも楽しみのひとつだ。だから旅に出る前は、その土地の歴史を書いた本や、その土地を舞台にした小説(時代、現代を問わない)をせっせと探して読む。この本もそのひとつ。もう言うまでもないと思うが、読んだのは過日箱根に行く前である。

 戦国時代を始めた男として有名な北条早雲を主人公に据えた歴史小説だが、この本を読んで「あれ?」と思ったことがいくつかある。

 その筆頭が北条早雲と言えば相模と思っていたのが、そうではなかったことだ。早雲が晩年相模を平定したのは確かだが、その拠点は死ぬまで何とわが静岡県(駿河国と伊豆国)であり、死んだのも韮山城である。そもそも京から東国に出てきたのも、今川家のお家騒動を収めるためだったという。知らなんだ。だから、物語の多くが駿河とその周辺を舞台として進む。知っている地名や場所がたくさん出て来て、これはうれしい誤算だった。

 もうひとつは「戦国時代を始めた男」という触れ込みから「梟雄」のイメージがあったのだが、そうではなく、かなり誠実な人物であり、かつ領民の幸福を第一に考える新しい考えの持ち主であったこと。伊豆や相模を平定したのも、領土拡張の野心からではなく、領民や今川家の利益を考えてのことだった。他国への進出を始めたのが還暦を過ぎてからだったというのも意外だった。

 だから、戦いに次ぐ戦いといった血沸き肉躍る展開を期待している(ぼくがそうだった)と裏切られる。もちろん、だからつまらないというわけではない。早雲の世界観、人生観などがちりばめられた物語は、司馬遼独特の歴史観と渾然一体となっておおいに楽しめる。

 ちなみに、文庫本の表紙の絵はご存じ広重描く箱根がベースになっていて、上中下巻とも同じ絵柄だが、色合いだけが異なり、上巻が払暁、中巻が昼間、下巻が黄昏となっている。愉快な工夫である。
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COMMENT

No title

司馬遼太郎さんと言えば、歴史小説ですね。
北条早雲は伊勢氏の出自なのですね、北条政子辺りだと思っていました。知らなんだ~
実際に歩く所を前もって本を読んでおくというのはいいですね^^
前知識があるのと無いのとでは、その楽しみも深みを増しますね。

私も、時間が取れるようになってからお寺巡りをしましたが、本を読んでから、そのお寺を訪ねたい、と思うこともあります。近場に、このお寺がそうだったのか!と思う所を見つけると嬉しくなったりしますから。その意外性や、やはり、という再確認があるのは楽しいですね。

仏教ならどんな本を読まれますか? 私は優しくて読みやすいのが良いです^^

No title

アイマイさん

早いですね! 実はまだ推敲の最中だったのです(私は投稿してからも推敲するのです)。お恥ずかしい文章を見せてしまいました。

お調べになったとおり、北条政子の北条(鎌倉幕府執権)と早雲は関係がないのです。区別するために後北条氏と呼ばれたりします。

司馬遼太郎は好きなのでよく読みます。くどくどと講釈を垂れるのが難点でもありいいところでもありますが。

仏教の本については、以前このブログで紹介した本以外では、現在Books Esotericaシリーズの『釈迦の本』というのと手塚治虫の『ブッダ』を読んでいます。

No title

はじめまして、こんにちは。

『箱根の坂』はまだ読んでいませんが、司馬さんのファンです(新潮文庫のものはほぼ読破。現在は文春文庫のものを集めています)。

早雲について、私がもっている本ではつぼいこうさんの『まんが 人物・日本の歴史』4巻に詳しいです。
Amazonのページ→http://www.amazon.co.jp/%E3%81%BE%E3%82%93%E3%81%8C%E4%BA%BA%E7%89%A9%E3%83%BB%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%81%AE%E6%AD%B4%E5%8F%B2-%EF%BC%94%E3%80%80%E6%88%A6%E5%9B%BD%E6%99%82%E4%BB%A3-%E3%81%A4%E3%81%BC%E3%81%84%E3%81%93%E3%81%86-ebook/dp/B00GXYB1FU/ref=sr_1_7?s=books&ie=UTF8&qid=1434697022&sr=1-7&keywords=%E3%81%BE%E3%82%93%E3%81%8C+%E4%BA%BA%E7%89%A9+%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%81%AE%E6%AD%B4%E5%8F%B2%E3%80%80%E3%81%A4%E3%81%BC%E3%81%84%E3%81%93%E3%81%86

私にとっては「北条早雲」というより「伊勢新九郎」という名前のほうが親しみがありますね。
因みに早雲の一族が北条姓を名乗るのは子の氏綱の代からなので、「北条早雲」というのは慣例名になるそうです。

自分の地元が舞台になっている小説を読むとテンション上がりますよね!
うちは岡山なのですが、歴史物だと宇喜多や池田は本道ではなく数も少ないし、横溝正史の岡山物は県北だし(うちは県南です)で、なかなかダイレクトに私の行動範囲内というのは少ないです。


初コメントで長々と場所をとってしまい申し訳ないです。

No title

如意自在さん

はじめまして。
ご訪問&コメントありがとうございます。

私と同じく司馬遼ファンとのこと、うれしく思います。
新潮文庫ほぼ読破とはすごいですね。
私はひとりの著者に入れ込んで
その作品を読みあさるということがあまりありません。
(数少ない例が江戸川乱歩と横溝正史ですが、
それでも全作品制覇にはほど遠い状態です)

北条早雲に関していろいろご教示いただき
ありがとうございました。
ご紹介いただいた本はブックオフオンラインに
在庫がありましたので、
早速手配して読みたいと思います。

歴史上の人物が当時は、現在通用している名前で
呼ばれていなかったのはよくありますね。
天皇の名前がその最たるものでしょう。

私はいま四国遍路を敢行しているのですが、
四国にはいつも岡山から入ります。
岡山にも二度ほど途中下車して観光させていただきました。
岡山城も後楽園も素晴らしかったですし、
それ以上に素晴らしかったのが倉敷の美観地区です。
このブログにも記事を書いていますので、
よろしかったらご覧ください。
⇒http://jitchan.blog67.fc2.com/blog-entry-640.html

そうそう、お昼にいただいたデミカツ丼も
素晴らしい発明だと思いました。

岡山の人物というと真っ先に浮かぶのは、
桃太郎をのぞけば(笑)、熊沢蕃山と池田光政公ですね。
以前内村鑑三の『代表的日本人』を翻訳したことがあり、
その1章が中江藤樹に当てられていました。
その中江藤樹の一番弟子が熊沢蕃山であり、
その蕃山が仕えたのが池田光政公。
蕃山を通して藤樹を知った光政公が、
岡山からわざわざ近江までやって来て、
腰を低くして藤樹に師事を乞うという
シーンに感動しました。
それだけで、光政公は素晴らしい名君だと思いました。

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