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じっちゃん

Author:じっちゃん
翻訳家。
もとコンピュータ技術者。二足の草鞋で翻訳を始め、定年後フリーランサーに。
【趣味】
①読書:ミステリを中心に時代・歴史小説、歴史や科学などのノンフィクション
②四国遍路(2015年11月結願)
③街道歩き(現在敢行中)
④SNS(ブログ、Facebook、Line)
⑤観劇
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すべてのおとなに捧ぐ~『岡崎に捧ぐ1』



 1985年に生まれた著者が、1990年代に過ごした子ども時代を描くエッセイ漫画。

 タイトルにある「岡崎」というのは著者の小学校時代の親友の名前。度の強いメガネをかけ、陰気で何を考えているかわからないちょっと変わった子で、クラスで仲よくなりたいランキング堂々最下位という女の子。

 そんな「岡崎さん」と、著者はひょんな巡りあわせで友だちになり、つきあってみると意外とうまがあって、たちまち親友となっていく。そのあたり、すごく自然で、そこでまず感心した。

 この岡崎さんとの交友を中心に著者の小学生時代が描かれる。

 当然ながら、スーパーファミコンやたまごっち、トイレの花子さんといった90年代のアイテムが続出する。著者と同じ世代の人なら「あるある」感満載でたまらないだろう。残念ながらぼくは同世代どころか、著者とは親子くらい年が離れている。しかし、そんなぼくでもノスタルジーを駆り立てられた。

 初めて友だちの家を訪ねるときのドキドキ感、初めて夜更かししたときのわくわく感、調子に乗って失敗し赤っ恥をかいたときの「穴があったら入りたい」感、仲間はずれにされたときの寂しさ、隣町まで歩いて行っただけなのに大変な冒険をしたように感じる高揚感といった、子ども時代には誰でも経験する出来事が的確に描かれているからだ。

 女性が小学生時代を描くというテーマの類似性からどうしてもちびまるこちゃんを思い浮かべてしまうが、ちびまるこちゃんは70年代、こちらは90年代という時代の違いは当然のことながら、前者がギャグに力点を置いていて、リアリティは多少犠牲にしているのに対し、本書はギャグよりもリアリティを大切にしている点が大きく違う。そのせいか、ちびまるこちゃんよりクールで、ときには毒さえも感じられる。

 ちびまるこちゃんは一時代を画した傑作である。本書はちびまる子ちゃんほどの普遍性と人気は持てないだろうが、作品としてはそれに負けない傑作になる可能性を秘めている。続編が待ち遠しい。

 それにしても、著者はこの作品を岡崎さんの結婚式のサプライズ用に作りはじめたというが、祝う相手をこんなふうに描いて大丈夫だったのだろうか。それでも大丈夫なほどの親友ということなのかもしれない。
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