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じっちゃん

Author:じっちゃん
翻訳家。
もとコンピュータ技術者。二足の草鞋で翻訳を始め、定年後フリーランサーに。
【趣味】
①読書:ミステリを中心に時代・歴史小説、歴史や科学などのノンフィクション
②四国遍路(2015年11月結願)
③街道歩き(現在敢行中)
④SNS(ブログ、Facebook、Line)
⑤観劇
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コミュ障の人集まれ!~『なぜ、この人と話をすると楽になるのか』



 昨年大いに話題になり、大いに売れた、コミュ障(※)克服のための指南書。著者はニッポン放送のアナウンサー。

※ 「コミュニケーション障害の略である。日本の国民病の1つであり、他人との他愛もない雑談が非常に苦痛であったり、とても苦手な人のこと」(ニコニコ大百科より)。

 著者自身コミュ障であったと言う。「えっ」と思う。ならば、最もコミュニケーション能力が必要なアナウンサーとして成功しているのはなぜなのか?

 その答えは「コミュ障を克服すべく努力したから」。水泳や料理と同じように、コミュニケーションも練習しなければうまくならない。その大前提を「コミュ障」というレッテルを貼ることで覆い隠してしまっている(※)と著者は批判する。なるほど。出発点からして素晴らしい。

 著者はコミュニケーションを「ゲーム」ととらえる。しかも、参加者全員が味方のゲーム。ゲームの目的はコミュニケーションを円滑に進め、終わった後に参加者全員がいい気持になれること。自分の思いや情報を伝えることは二の次だ--そう言って、そもそもの「コミュニケーション」の定義(※)を否定してしまう。

※ 広辞苑によれば「社会生活を営む人間の間に行われる知覚・感情・思考の伝達」

 全員味方なのだから、相手を説得しようとしたり、ましてや言い負かそうとしてはいけない。「言い負かされたら、その人はいい気持で会話を追われないし、いいことは何もない」と言い切る。この割り切りかたがすごい。

 以上が本書の最大の肝。ここさえ(きちんと)理解できれば、後は枝葉末節だと言っても言い過ぎではない(言い過ぎか)。

 そのうえで、コミュニケーションをいい気持で終えられるコツを教えてくれる。

 まず自分を捨てること。自分に興味のある人なんていないんだってことを自覚すること。コミュニケーションで自己顕示欲を満足させることなどできない。だから、コミュニケーションをうまく進める基本はたったひとつ。徹頭徹尾「相手にしゃべらせる」こと、それだけだと。

 そしてもうひとつ。自尊心のレベルを下げろということも言っている。バカにされても怒るな、いじられたらラッキーだと思えと。いやあ、これなど、ちょっとしたことでもカッとしてしまうぼくは、真っ先に心せねばならない。

 こうした考えの背景には「相手の思いはコントロールできない。コントロールできるのは自分の思いだけだ」という考えがある。これなど、デール・カーネギーの名著『道は開ける』など、悩み克服指南書が必ず説く最重要事項である。「相手を変えることはできない。自分を変えよ」と。

 本書にはこうした「心構え」の話だけでなく、具体的なテクニックの話もある。

 その中で最も重要なのは「質問せよ」。相手に(嘘でもいいから)興味を持って質問する。それが大事だと。そして「他愛のないことを聞け」「いちばん大切なのは『答えやすさ』」「相手についての知識の空白を埋める質問をせよ」などと、質問のコツを次々と教えてくれる。驚くのは、よく会話のコツと言われる相づち(「へえ」「なるほど」「ふ~ん」)を否定していること。理由を聞けば納得できる。

 こうしたテクニックを、サッカーの「トラップ、パス、ドリブル」にたとえるのもうまい。わかりやすいし、後々まで頭に残る。

 それ以外にも会話のコツが満載なうえに、「親も兄弟も最初は他人」「正常は異常の一形態」「誤解するのが当たり前」「人間の会話は、サルの毛繕い」といった名言も目白押し。

 こう言っちゃなんだが、予想外の好著だった。コミュニケーションの指南書としてだけでなく、もっと広く、人づきあいの指南書としても読める。その意味で「コミュ障」以外の人にもお勧めしたい。
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