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じっちゃん

Author:じっちゃん
翻訳家。
もとコンピュータ技術者。二足の草鞋で翻訳を始め、定年後フリーランサーに。
【趣味】
①読書:ミステリを中心に時代・歴史小説、歴史や科学などのノンフィクション
②四国遍路(2015年11月結願)
③街道歩き(現在敢行中)
④SNS(ブログ、Facebook、Line)
⑤観劇
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何億もの魂を救った男~『デール・カーネギー(上)(下)』



 ぼくは自己啓発書の翻訳を多数手がけているが、その自己啓発書の分野で燦然と輝く星、それも北極星のようにひときわ明るい星が『人を動かす』『道は開ける』(拙訳『悩まずに進め』=オーディオブック)で知られるデール・カーネギーだ。

 代表作の『人を動かす』は人間関係を円滑に進める方法を指南する自己啓発書であり、1936年の発行以来世界で3000万部(300万部ではない!)を超えるベストセラーになっている(そうだ)。今でも自己啓発書のベストXXを選べば、間違いなく1,2位を争うことになる(最近出た『ビジネス書完全ガイド』でも、さらっと1位になっている)。リーダーたらんとする人は必読の名著である。来年春にはぼくが翻訳したもの(ただいま、鋭意翻訳中!)が出るはずなので、それを待って(*^^)vぜひ読んでほしい。

 もうひとつの『道は開ける』は悩み克服の指南書。これまで同種の書籍をたくさん読んできたが、悩みを克服する方法論で本書を上回るものには出会ったことがない。こちらもまぎれもない名著である。悩み多き方は読まれんことを。救われること間違いなし!

 書籍の紹介から入ったが、デール・カーネギーはデール・カーネギー・コースという研修コース(対人関係、スピーチ、悩み克服など)の主宰者でもある。というか、そちらの方が本業である。著者自身は故人だが、後継者が今でも運営していて、本国米国のみならず、全世界でコースが開かれている。もちろん、日本にもある。

 書籍だけで3000万部、コースの受講者はその数倍いるだろうから、少なく見ても1億人はカーネギーのお世話になっているはずだ。これほどの魂を救った人は、宗教関係以外ではカーネギーをおいてないだろう。

 さて、本書『デール・カーネギー(上)(下)』である。タイトルから想像がつくように、デール・カーネギーの誕生から死までをほぼ時系列で追った評伝である。

 率直に言って、『人を動かす』の大ヒットで一躍時の人となるまでの前半は面白くない。ここのところは、デール・カーネギーはなぜデール・カーネギーとなったかが読ませどころのはずだが、そこのところがどうもよくわからない。少年時代はきわだった才能を見せず、成人してからも、夢を追うばかりで、何をやってもうまく行かず転々と仕事を変えていた、いわば人生の落伍者が、突然「話し方」教室の講師として花開く。そこまでの経緯--どうして「話し方」のプロになるほどの卓越したコミュニケーション能力を身につけたかがよくわからないのだ。

 それが一転、『人を動かす』で大成功してからは、がぜん面白くなる。期せずして人気者になったカーネギーの戸惑い、世間からの絶賛と誹謗中傷、二度の結婚、夫婦愛、友情と裏切り、思いがけない事業の失敗と再建、次第にカリスマ性を帯びていくカーネギーとその秘密、突然の病--と読みどころ満載で息もつかせず読ませる。

 カーネギーが晩年あの病で倒れた(「倒れた」と言っていいかどうか)のは初めて知った。そこからの話も痛々しくも感動的である。さらには、人格者だと思っていたカーネギーが死ぬまで妻(二番目の妻)以外の女性と不自然な関係を続けていたというのも驚きだった。

 このように前半よりがぜん面白くなる後半だが、欠点もある。カーネギーの著書の内容の紹介が必要以上に詳しくて長く、(少なくともそれを読んだことのある者にとっては)退屈で苦痛以外の何ものでもない。さらに言えば、詳しすぎて逆に、どこがいいのか、何が面白いのかがわかりにくくなっているような気もする。

 また、カーネギーの思想のバックボーンとなっているニューソートや心理学についての記述もくどすぎる。必要性はわかるが、思い切ってもう少し刈り込むべきだったのではなかろうか。
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COMMENT

なるほど〜

上下版の下巻の方が面白いんですね〜
スティーヴ・ジョヴズの伝記(唯一、本人が許可した伝記)も
上巻は、くどくどした感じで彼を知らない人が読んでも
まったくイメージ出来ない感じでした

しかし、下巻は面白い部分もありました (*^ . ^*)エヘッ

いつも思うのは日本人のこだわる所とあちらの人々のこだわる部分に
相違があるからなのではと・・・・・
なので、興味深い部分に違いが生じるのかな〜
または、その結果になるにはどういう背景であったのかを
知るのが彼らには重要、つまり理解するため、ん?納得するためかも〜

BON JOVIのリーダーのジョン・ボンジョヴィの愛読書である本も
ピットママ的にはジョンが何故、この本を大事にしているのかが
全然、理解できませんでした (^o ^;

理解する必要もないですけど・・・・o(^ - ^)o

カーネギーさんも私生活は色々だったんですね
有名な方は、やはり型にはまっていない感じですね

ジョヴスの伝記読まれたんですか!
やっぱり上巻は面白くなかったと。

>>いつも思うのは日本人のこだわる所と
>>あちらの人々のこだわる部分に
>>相違があるからなのではと・・・・・

おっしゃる通りだと思います。
日本人ならそぎ落とすところを、
欧米の作家はくどくどと書くんですよね。

あっさりした和食とこってりした洋食の
違いですかね。

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