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じっちゃん

Author:じっちゃん
翻訳家。
もとコンピュータ技術者。二足の草鞋で翻訳を始め、定年後フリーランサーに。
【趣味】
①読書:ミステリを中心に時代・歴史小説、歴史や科学などのノンフィクション
②四国遍路(2015年11月結願)
③街道歩き(現在敢行中)
④SNS(ブログ、Facebook、Line)
⑤観劇
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風太郎節を満喫~『白波五人帖』



 天下の大盗賊日本左衛門(歌舞伎では日本駄右衛門)ほか白波五人男それぞれが主役を演ずる5つの短編からなる連作短編集。久々の山田風太郎だが、風太郎節を大いに満喫できた。

 お話しは日本左衛門が京都町奉行所に自首してくるところから始まる。お上が手を焼いていた日本左衛門がなぜ自から自首してきたのか・・・物語はその謎を中心に展開する。その謎に宝暦治水事件(※)が絡んで、物語は驚天動地の展開を見せる。

※ 江戸時代中期に起きた事件。幕命によって施工された木曽三川(木曽川・長良川・揖斐川)の治水事業(宝暦治水)の過程で、工事中に薩摩藩士51名自害、33名が病死し、工事完了後に薩摩藩総指揮の家老平田靱負も自害した。(Wikipediaより)

 日本左衛門が京都町奉行所に自首したのは史実だが、それに宝暦治水事件が絡むというのはまったくの虚構。日本左衛門は延享4年(1747年)に死んでいるが、宝暦治水事件が起きたのは宝暦4年(1754年)だからだ。このように、山田風太郎は史実と虚構を織り合わせ、想像の翼を思い切り広げて、超オモシロ物語に仕上げている。それは他の4作も同様だ。それにしても、よくもまあこんなことを考えつくものだ。作者の想像力には、毎度のことながら、感嘆を通り越して呆れてしまう。

 エログロが特徴でもある風太郎作品だが、エロの部分は抑え気味なものの、グロなシーンはそれなりにあるので、そういうのが嫌いな向きは要注意。そんななかで、男女の純愛あり、夫婦愛あり、兄弟愛あり、友情あり、忠義ありで、ほろりとさせるシーンもあって、読ませる読ませる。ああ、やっぱり、風太郎は天才だ。
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