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じっちゃん

Author:じっちゃん
翻訳家。
もとコンピュータ技術者。二足の草鞋で翻訳を始め、定年後フリーランサーに。
【趣味】
①読書:ミステリを中心に時代・歴史小説、歴史や科学などのノンフィクション
②四国遍路(2015年11月結願)
③街道歩き(現在敢行中)
④SNS(ブログ、Facebook、Line)
⑤観劇
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十万分の一の偶然


横溝正史、江戸川乱歩に続く、ミステリーの巨匠シリーズ第三弾。今回は松本清張です。

昨今の派手なミステリを読んでいると、時々松本清張の作品のような、探偵がこつこつと地道な捜査をするミステリが読みたくなります。

この『十万分の一の偶然』は週刊文春の81年「傑作ミステリーベスト10」の5位になった作品です(※)。

※当時は国内/海外の区別のないベスト10でした。

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東名高速の悲惨な事故現場を撮影した写真がA新聞の「ニュース写真年間最高賞」に輝く。事故直後の、警察すら到着していない時点での写真であり、シャッターチャンスは「十万分の一の偶然」と評される。この事故で婚約者を失った主人公はこの「十万分の一の偶然」に疑問を抱き、真相解明に向けて執念の追求を始める。

...というお話です。前半主人公が事件の真相に向け、現場を調査したり、関係者を訪ねてインタビューしたりする様子はまさしく「こつこつ捜査」の典型であり、少しずつ姿を見せてくる真相にわくわくするような面白さを覚えました。

ところが、途中から物語は(私にとっては)思いがけない方向へと進んでいきます。これがまたなかなか洒落た趣向で、どういう風に物語が転がっていくのかはらはらどきどきさせられます。

その後物語は再度(私にとって)思いがけない展開を見せます。

この作品は比較的細かな章立てをしていて全部で35章から構成されるのですが、後半(というか終盤近く)になって全体のストーリーとは関係のなさそうな章が挿入され、なんだこりゃと思わされます。ここからまた物語が(私の)予想とは違う方向に進んでいきます。もちろん、「ストーリーとは関係のなさそう」だったお話も最後の方で物語にちゃんと絡んできて、このあたりさすが清張、うまいなとうならされます。

そして最後にちょっとしたサプライズが待っています。「十万分の一の偶然」で始まって最後がこれ。巨匠の演出は心憎いです。

ただ、そのサプライズの後のエンディングは疑問。これがない方が余韻が残ってよかったように思います。また、謎もその背景も小粒で、したがって全体的にも小粒な感じに仕上がっています。もっとも、清張の作品には重厚な作品もある一方でこういう小粒感のある作品も多いのですが。前半の「こつこつ捜査」が面白かっただけに、それが意外にあっさりと終わってしまったのもちょっと残念でした。

【じっちゃんの評価:★★★】

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COMMENT

たしか読んだんですよね。この作品。
松本清張のものも若い頃からたくさん呼んでて、かえって個別の印象が薄れます。
書評を読むと、「そうだったかも」とまた読みたくなります。どれ、納戸の書棚をあさりに行きますか。

追伸
なかなかいいですね。自画像。
娘さんですか?「とてもうまい」に入る腕ですね。

おむすびさん
>娘さんですか?
 娘には発注済みだったのですが、最初の作品にケチをつけたせいか、その後催促しても生返事で。で、しかたなく自分で描きました。
 おほめいただき汗顔の至りです。

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